ルクセンブルク

『ルクセンブルク』世界遺産にも登録された要塞都市

ルクセンブルク

15回にわたってお伝えしてきたバックパッカー時代のヨーロッパ周遊記もいよいよ最終回となります。最後の目的地はヨーロッパの小国『ルクセンブルク』です!

ヨーロッパの中でもあまり知られていないルクセンブルクですが、ヨーロッパ有数の金融都市である一方、街全体が世界遺産にも登録されている歴史的な面もあります。

そんなルクセンブルクは一体どんなところなのか、ご紹介していきます。

ルクセンブルクについて

日本ではルクセンブルクの知名度は決して高くはないと思います。僕もイギリスに留学していた時にルクセンブルク出身の友人がいたくらいで、正直、以前はルクセンブルクについてほとんど何も知りませんでした。

そもそもルクセンブルクってどこにあるかイメージできますか?ルクセンブルクは南側をフランス、北西をベルギー、東側をドイツと接する国で、これらの国に囲まれた小さな国です。

ベルギー、オランダと合わせた「ベネルクス3国」という呼び名は聞いたことがあるのではないでしょうか?

ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語が公用語となっていますが、英語が話せる人の割合も非常に多い国です。

 

世界遺産「ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群」

ルクセンブルクは神奈川県ほどの面積しかない小さな国ですが、ヨーロッパの金融機関が集まるほか、個人投資家などの富裕層が多く暮らすお金持ちが多い国でもあります。

一方で、歴史的な街並みが残るルクセンブルク市は「ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群」として世界遺産にも登録されています

 

高低差の激しい要塞都市

要塞都市ルクセンブルク

ルクセンブルク市は標高約500mの高地にある街ですが、街の中も高低差が激しく、切り立った崖のような場所が数多くあります。

ローマ帝国時代にルクセンブルクの初代統治者となったジークフリートは、起伏の激しいこの地に城を建て、軍事的拠点として要塞を築きました。

その後、街の発展と共に要塞はさらに強化されていきました。

 

ルクセンブルクのボック要塞

この写真の辺りは「ボック要塞」と呼ばれる旧市街を守っていた砲台があった場所です。

現在では要塞は解体されているものの、街の様々な場所にその痕跡が残されており、当時の要塞都市の雰囲気を残しています。

 

ペトリュス渓谷に架かるアドルフ橋

ルクセンブルクのアドルフ橋

ルクセンブルクはペトリュス渓谷という渓谷を挟んで旧市街と新市街に分かれています。そして、旧市街と新市街を結んでいるのが、ペトリュス渓谷に架かる「アドルフ橋」です。

渓谷は豊かな緑に覆われており、自然と歴史が調和したルクセンブルクを象徴する光景となっています。

 

尖塔が目を引くノートルダム大聖堂

ルクセンブルクのノートルダム大聖堂

アドルフ橋を旧市街側へ渡った先に、高い尖塔が目を引く教会があります。それが「ノートルダム大聖堂」です。

ノートルダム大聖堂と言うと、フランスのパリにあるものが有名ですが、実は世界中に同じ名前の教会が多数あります。

「ノートルダム」は英語で言う「Our Lady」、つまり聖母マリアに捧げられた教会の名前です。

17世紀に建てられたノートルダム大聖堂は、ゴシック様式を主体としている他、ルネサンス様式やバロック様式、イスパノ・モレスク様式(イスラム支配下のスペインの芸術様式)などの要素も見られます。

ドイツやフランスといった大国に接し、一時はローマ帝国やスペインの支配にもあったルクセンブルクの複雑な歴史的背景を物語る建築と言えます。

 

ルクセンブルク大公宮殿(旧市庁舎)

ルクセンブルク大公宮殿(旧市庁舎)

「ルクセンブルク大公宮殿」は15世紀に市庁舎として建設された建物です。一度は火薬の爆発によって破壊されますが、16世紀後半に再建されました。

1891年からルクセンブルク大公宮殿として使用されるようになり、現在は迎賓館およびルクセンブルク大公が主な執務を行う場所となっています。

ルクセンブルク大公宮殿の内装はリノベーションされていますが、その外観にはスペイン・ルネサンスの影響が見られ、正面のアラベスク模様が当時の面影を残しています。

1日に5回、衛兵の交代式が見られる他、事前に予約すれば内部を見学することもできます。

 

その他の見どころ

ルクセンブルクのグルント地区

旧市街の城壁の下には流れるアルゼット川沿いには、「グルント地区」が広がります。渓谷の底部にあるグルント地区は自然と歴史的な街並みが融合した美しい地区です。

写真の右手に流れるのがアルゼット川。その横に建つ尖塔が印象的な建物がサン・ジャン教会です。

 

ルクセンブルクのアルム広場

旧市街にある「アルム広場」。周囲にはレストランやカフェ、ファーストフード店などが多く並びます。昼食選びに困ったらアルム広場の周りを探してみてはいかがでしょうか?

市民の方が集まる憩いの場でもあり、中央のステージではイベントも開催されます。この日も夕方から音楽ライブが行われていました。

 

ルクセンブルクの銀行博物館

アドルフ橋を新市街側へ渡った先にあるのが「銀行博物館」です。金融の街であるルクセンブルクらしい博物館で、古い金貨や銀行の業務で使用していた機械などが展示されています。

メス広場に沿って弧を描くような形の美しい建物で、左手の塔には金色の時計が付けられています。

 

ルクセンブルクへの行き方

なかなか日本から旅行に行く人が少ないルクセンブルク。どうやって行けば良いのでしょうか。

日本からルクセンブルクへは直行便が就航しておらず、ヨーロッパの他の国を経由して行くことになります。

ロンドンを経由する「ブリティッシュ・エアウェイズ便」や、ミュンヘンを経由する「ルフトハンザ航空便」、アムステルダムを経由する「KLMオランダ航空便」など、選択肢は多数あります。

 

日本人添乗員が同行するツアーもあるので、自分で手配するのが不安な方はツアーがオススメです。ツアーの場合はベルギー、オランダと併せたベネルクス三国を訪れるツアーが多いようです。

ルクセンブルクを含むツアーは<JALパックのホームページ>で検索できます!

 

最後に…

今回でヨーロッパ周遊旅行は終了となります。ルクセンブルクからベルギーのブリュッセルに戻り、そこからユーロスターで留学先のイギリスへと帰国しました。

当時は学生であまりお金もなかった(留学も自費で行きました)ので 随分と節約旅行を強いられましたが、無理してでも行って本当に良かったと思います。

社会人になって思うのは、(学生の頃よりは)お金はあっても何週間もまとまった休みが取れる機会はなかなかありません。留学が終わったこのタイミングしかなかったと思います。

ヨーロッパの色々な国を回るのは以前からの夢でしたし、実際に見た景色や旅行先で出会った人たちのことは一生忘れられない思い出になりました

いつかヨーロッパを周遊してみたいと思っている方がいたら、ぜひその夢を叶えてください!その時にちょっとでも僕の旅行記が参考になれば幸いです。