オーストリア

『ザルツブルク』でモーツァルトゆかりの地を巡る

ザルツブルクのミラベル庭園

バックパッカー時代のヨーロッパ鉄道旅行記は10都市目に入ります。今回は前回訪れたハンガリーのブダペストから再びオーストリアに戻り、『ザルツブルク』を訪れます!

ザルツブルクはモーツァルトが生まれ育った街であり、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台にもなった音楽との関係が非常に深い街です。

その街は「ザルツブルク市街の歴史地区」として世界遺産にも登録されているほどの歴史ある美しい街です。

今回はザルツブルクの見どころをハイライトでご紹介します!

ザルツブルクについて

前回訪れたハンガリーのブダペストからザルツブルクまでは特急列車で5時間ちょっと。今回の鉄道旅行の中でも最も長旅となりました。

ザルツブルクはオーストリアの北中部に位置する町で、ドイツのミュンヘンにも近い場所にあります。

ザルツブルクという都市名は「塩 (ザルツ) の砦 (ブルク)」を意味しています。と言ってもザルツブルクで塩が採れたというわけではありません。

かつてザルツブルクの大司教はバイエルン公より、近くにあるライヘンハルで採れた塩の利益の一部を与えられ、布教の財源としていたことに由来するそうです。

元々ザルツブルクがあった場所には、紀元前1800年以前から人が住んでいた形跡が見られるそうです。

7世紀末にカトリック布教のためにこの地へやってきたルーペルト司教が、ザルツブルクの最初の司教となります。

その後、大司教区になったザルツブルクは布教活動と共にその重要性を増して行きます。

近世では第二次世界大戦に巻き込まれ、ヒトラー政権のナチス・ドイツに併合されますが、第二次世界大戦の終了後、オーストリアの独立と共にザルツブルクも主権を回復しています。

 

映画「サウンド・オブ・ミュージック」の世界

ザルツブルクは映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台として知られる街です。サウンド・オブ・ミュージックは1965年に公開され大人気となったミュージカル映画です。

第二次世界大戦下のザルツブルクで、退役軍人のトラップ大佐の7人の子供の家庭教師となったマリアが、明るい歌声で一家と心を通わせていくというストーリー。

劇中で流れた「ドレミの歌」「私のお気に入り」は誰もが知っている名曲となっています。

 

ザルツブルクに着いて駅から歩いていると、聖アンドレ教会の前の広場に「サウンド・オブ・ミュージック」の柄にペイントされた牛のオブジェが置いてありました。映画に出てきた場所が描かれています。

 

聖アンドレ教会の向かいには「ミラベル庭園」という美しい庭園があります。この場所もサウンド・オブ・ミュージックに登場した場所なんです。

しかも映画の中でも最も有名な「ドレミの歌」(ドはドーナッツのド〜♪の歌です) を歌うシーンで使用された場所。

 

ミラベル庭園にあるこちらの緑のトンネルも、サウンド・オブ・ミュージックの作品中で「ドレミの歌」を歌いながら駆け抜けていました。

サウンド・オブ・ミュージックは小学校の音楽の授業で1度見ただけでしたが、ザルツブルクに行った後に再び見返してみると、見覚えのある景色がたくさん出てきてテンションが上がりました。

 

ザルツブルクのミラベル宮殿

ミラベル庭園は、「ミラベル宮殿」という宮殿のお庭です (サウンド・オブ・ミュージックの影響で庭園の方が圧倒的に知名度が高くなってしまいましたが)。

1606年に大司教ヴォルフ・ディートリヒが愛人の為に建てたそうです。聖職者である大司教もそんなことするんですね…。

 

神童モーツァルトが生まれた家

冒頭で書いたように、ザルツブルクはモーツァルトが生まれた街でもあります。

それにちなんでザルツブルクの空港は「ザルツブルク・ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト空港」と名付けられています。

街にもモーツァルトゆかりの場所がたくさんあります。「モーツァルトの生家」もそのひとつ。

ザルツブルクの中心を流れるザルツァハ川の近くに建つこのアパートがモーツァルトが生まれた場所です。

彼の家族は1747年から1773年の間、この建物の3階に住んでいました。モーツァルト自身も1756年にこの場所で生まれました。

現在は博物館になっており、中を見学することができます。モーツァルトが幼少期を過ごした場所や、使っていた楽器などが展示されており、モーツァルト好きなら絶対に見逃せない場所です。

 

ザルツブルクにあるモーツァルトの家

ザルツブルクにはもうひとつ「モーツァルトの家」があります。それがミラベル庭園を抜けた先にあるマカルト広場の隣にあるこちらのアパート。

モーツァルト一家が1773年から1780年に暮らしていた家です。

こちらもモーツァルトの生家と同じく博物館になっていて、中を見学することができます。この家の歴史やモーツァルト一家のザルツブルクでの暮らしが分かる興味深い場所となっています。

 

教会が多いザルツブルク

ザルツブルク大聖堂の内部

ザルツブルクの街を歩いているとたくさんの教会を見かけます。その一つが「聖ペーター教会 (ザンクト・ペーター教会)」です。

ザルツブルクの守護聖人である聖ルーペルトスが696年に建てた修道院の跡地に作られました。

12世紀に建設されたロマネスク様式の建物がベースとなっていますが、その後改修と共にバロック様式やロココ様式も取り入れられています。

教会の内部は豪華な雰囲気。たくさんの彫刻が施された大きな祭壇がある他、壁には大きな絵が飾られ、入口の上にはこれまた大きなパイプオルガンがおかれています。

モーツァルトが若かりし頃に度々この教会で演奏していたと言われています。また、教会の墓地にはモーツァルトの姉であるナンネルのお墓があります。

 

聖ペーター教会の近くにある「ザルツブルグ大聖堂」も見逃せない場所の一つです。聖ルパートによって最初の教会が建てられたのは774年。

1181年の火災の後に再建され、17世紀頃に現在のバロック様式の姿になりました。

ドーム広場に面して建つ大きな大聖堂は、左右にある大きな塔が特徴で、高さは81mにもなります。大聖堂の前には聖母マリアの像が立っています。

内部は聖ペーター教会ほどではないものの豪華な雰囲気。繊細な彫刻と絵画が施された美しい天井が見どころです。

ザルツブルク大聖堂は、モーツァルトが洗礼を受けた場所としても知られています。

 

ザルツブルクでショッピングをするなら

ザルツブルクでショッピングをするならゲトライデ通り」とその周辺がオススメです。

通り自体は車が通れない狭い通りなので少し見つけるのが難しいかもしれませんが、モーツァルトの生家を目印にすると良いでしょう。

大きな通りではありませんが、たくさんの人で賑わっています。歴史のありそうな建物に囲まれた石畳の通りはヨーロッパらしい雰囲気で、買い物気分が盛り上がります。

 

ゲトライデ通りの先にある「ユーデン通り」、ゲトライデ通りから南に伸びる「ジークムント=ハーフナー通り」にも同様に多くのお店が集まっています。

 

夕日に染まるホーエンザルツブルク城

ザルツブルクのシンボルが「ホーエンザルツブルク城」です。標高約500mのメンヒスブルク山の上に立っており、街の至る所から見上げることができる大きなお城です。

日本語では「城」となっていますが、元々は反対勢力からの攻撃に対する防衛施設、いわゆる砦でした。

 

ホーエンザルツブルク城、そしてザルツブルクの街を眺めるのにオススメの場所があります。

それは、ザルツァハ川を挟んでホーエンザルツブルク城と反対側にあるカプツィナーベルクという丘にある展望台です。

僕は夕暮れの時間に合わせて展望台に向かいました。展望台までの道のりはそれほど遠くありません。麓から5分坂道の登ること5分ほどでしょうか。

 

南にはホーエンザルツブルク城がはっきりと見えます。間に遮る建物がないので、その全体像を見ることができます。

傾きかけた夕日の光を浴びて、ほんのりオレンジ色に染まっています。

 

西側を見ると、沈んでいく夕日が見えました。街がオレンジ色に照らされた後、少しずつ暗くなっていく様子はとても美しい景色でした。

一人旅をしていると、こういう綺麗な景色を見た時になんだか感傷的になってしまうのはなぜでしょうね…寂しいわけではないのですが。

 

次回は再びドイツに入り、オクトーバーフェストで有名なミュンヘンを訪れます!