今回は「ウルル・カタジュタ国立公園」の旅行記の第5回。エアーズロック (ウルル) の麓めぐりの様子をお伝えします。
エアーズロックの麓にあるウォーキングコースでは、オーストラリアの先住民族アボリジニの文化に触れることができます。
ウルルとアボリジニ
オーストラリアの先住民族であるアボリジニがウルル (エアーズロック※) の周辺で暮らすようになったのは約1万年も前と言われています。
※エアーズロックという名前は19世紀にイギリスの探検隊がこの場所を発見した時に付けた名前で、アボリジニは「ウルル」と呼んでいました。
ウルルの周辺に暮らすアナング族というアボリジニの部族にとってウルルは神聖な場所であり、宗教的・文化的な行事の場でもありました。
ウルルには約1千年前にアボリジニが描いた壁画など、古くからの文化に触れられる遺跡も残されています。
ウルルは1985年にオーストラリア政府から本来の所有者であるアボリジニに返還されました。
麓めぐりのコース
エアーズロックの麓には5つのウォーキングコースがあります。
- マラ・ウォーク (Mala Walk)
- クニヤ・ウォーク (Kuniya Walk)
- ラングカタ・ウォーク (Lungkata Walk)
- リル・ウォーク (Liru Walk)
- ベース・ウォーク (Base Walk)
最も短いクニヤ・ウォークで約1km (約45分)、最も長いベース・ウォークで10.6km (約3.5時間) の長さです。
これらのウォーキングコースは2019年10月にエアーズロック登山が禁止になった以降も観光することができ、現在のエアーズロック観光の目玉のひとつとなっています。
麓のウォーキングコースは登山と異なり平坦な道がほとんどなので、体力に自信がない人でも気軽に参加することができます。
また、セグウェイ (電動立ち乗り二輪車) に乗って観光するツアーもあります。
一番人気のマラウォーク
エアーズロックの麓のウォーキングコースの中でも最も人気があるのが「マラ・ウォーク」というコースです。
往復約2kmのコースで、1.5時間ほどで歩くことができます (途中で引き返すことも可能)。
平坦な道のりなので歩きやすく、途中でアボリジニの文化を示す遺跡を見学することができます。
マラ・ウォークは、エアーズロックの登山道の入口の近くをスタートして、エアーズロックのすぐ脇を巡るコースです。ゴツゴツとした岩肌をすぐ横に見ながら進んで行きます。
見上げると「ノッチ」と呼ばれる岩の表面にできたくぼみや穴を見ることができます。アボリジニの言い伝えでは、ノッチには精霊が宿っているとされます。
少し歩くと珍しく木がたくさん生えた場所に差しかかります。この先にアボリジニの遺跡が待っています。
アボリジニの文化に触れる
マラ・ウォークにはアボリジニの文化を示す遺跡がいくつか残されています。まず最初に見つけられるのがこの岩のくぼみです。
なんとなく歩いていると見過ごしてしまいそうですが…
よく見ると、岩がくぼんだ部分にたくさんの壁画がびっしりと描かれています。
ここは「クルピ・ニインカク」(Kulpi Nyiinkaku) と呼ばれる場所で、アナング族の年長者たちが少年たちに狩りの方法や水場の見つけ方などの生きる術を教えた教室のような場所だったと言われてます。
エアーズロックの麓にはこのような壁画がいくつか残されており、古いものは約千年前のものもあります。
続いて現れたのは「クルピ・ワティク」(Kulpi Watiku) という洞窟です。
この洞窟は先住民族の台所のような場所で、道具を使って火を起こし、狩りで捕らえた獲物を調理していたとされます。
マラ・ウォークには他にもこのような遺跡が点在しており、アボリジニの文化に触れながらエアーズロックの麓めぐりを楽しむことができます。
各ポイントには英語で書かれた解説がありますが、ガイドさんが詳しく説明してくれるツアーの方がさらに理解が深まります。
日本語のガイドツアーもありますので、「VELTRA」のホームページで検索してみてください。
>>海外オプショナルツアーの「VELTRA」
エアーズロック観光終了
バスの時間が近づき、駐車場のある登山道の入口へ戻ってきました。
冬とは言え昼間は気温が25℃以上になり、歩くと汗が出るほどです。売店で買ったアイスが美味しかったです。
これにてエアーズロック観光は終了。運良く登山も成功し、麓めぐりも楽しむことができました。
この後、空港へと向かい、次なる目的地シドニーへ移動します!