モロッコ

『ハッサン2世モスク -前編-』モロッコ最大のモスク

今回からは以前訪れたモロッコについて書いていきます。今回と次回はモロッコ最大の『ハッサン2世モスク』をご紹介します。

前編では大西洋沿に立つ美しいモスクの外観と、モスクの基本情報をお伝えします。

モロッコってどんな国?

みなさんはモロッコってどんな国かご存知でしょうか?中にはどこにあるか分からないという人もいるかもしれません。

モロッコは北アフリカにある国で海を挟んでスペインに近い場所にあります。僕は実際に行くまで砂漠が広がる「ザ・アフリカ」的な国をイメージしていました。

確かに南部は砂漠があったり、ラクダがいたり、といった場所もありますが、ハッサン2世モスクのあるカサブランカや北部の都市は全く違います。

「カサブランカ」人口が約500万人の大都市で、街中には大きな建物が並んでいて驚きました。スペインに近い北部の都市ではヨーロッパのような雰囲気の街もあります。

一方でモロッコ最古の都市である「フェズ」のように昔ながらの街並みが残る街もあり、多様性に富んだ国と言えます。

あと実際に行って感じたのは、「人が親切・フレンドリー」「料理が結構おいしい」など、想像以上に良い印象を受けました。

これまでモロッコには仕事を含めて数回行きましたが、行く前と後でイメージが大きく変わった国のひとつでした。

 

ハッサン2世モスクについて

ハッサン2世モスク

『ハッサン2世モスク』はモロッコ最大の都市カサブランカにあるモスクです。

そもそも「モスク (mosque)」とは、イスラム教の礼拝堂を意味します。イスラム教の神様であるアッラーに対して祈りを捧げる場所がモスクなのです。

イスラム教徒いうと中東をイメージする人が多いかもしれませんが、他にも北アフリカや東南アジアなど世界各国に多くのイスラム教徒 (ムスリム) の方がいます。

世界に多数存在するモスクの中でハッサン2世モスクはモロッコ最大の規模を誇り、アフリカで2番目、世界でも7番目に大きいモスクとなっています(収容人数比較)。

屋外も合わせると105,000人を収容できるそうで、重要な行事の際には実際にそれに近い数の人が集まることもあります (写真を見ましたがすごい人でした!)。

その歴史は比較的新しく、ハッサン2世モスクが完成したのは1993年のことでした。

当時のモロッコ国王だったハッサン2世の指示の下、フランス人建築家のミシェル・ピンソーがデザインしたこのモスクは、7年の歳月をかけて建設されました。

 

ハッサン2世モスク(外観)の見どころ

ここからはハッサン2世モスクの外観の見どころをご紹介します。美しいモスクの様子をたっぷりとご堪能ください!(モスクの内部については次回じっくりとご紹介します)

海沿いの遊歩道からの眺め

ハッサン2世モスクに着いたら、その敷地に入る前にまず訪れてほしい場所があります。それはモスクの近くにある「海沿いの遊歩道」です。

大西洋に面して続くこの遊歩道は綺麗に整備されていて、たくさんの人が散歩をしたり海を眺めたりしていました。

もちろんこの遊歩道自体も良い場所なのですが、この場所をおすすめする最大の理由は、ここから眺めるハッサン2世モスクの姿にあります。

 

ここからは大西洋に面して立つ巨大なモスクの全景を眺めることができます。

見わたす限り広がる青い海と、海岸に打ちつける白い波、そこに立つハッサン2世モスクの姿はスケールが大きく圧巻の眺めです。

この日の雲ひとつない青空も最高でした。

ハッサン2世モスクは夜になるとライトアップされます。夜真っ暗になった海の脇にオレンジ色に浮かび上がるモスクの姿も非常に幻想的です。

 

高さ世界第2位のミナレット

大きなモスクの中でもとりわけ目を引くのが巨大な塔「ミナレット」です。

ミナレットとはモスクなどイスラム教の宗教施設に付随する塔のことで、建物の象徴となっています。

ハッサン2世モスクのミナレットは高さが210mもあり、世界で2番目の高さとなっています。

ちなみに1位はモロッコの隣国アルジェリアにある「ジャマ・エル・ジャザール」のミナレットです。

2019年にジャマ・エル・ジャザールが完成するまでは、ハッサン2世モスクのミナレットが世界一の高さでした。

 

四角錐の形をしたミナレットの側面をよく見ると細かい模様が刻まれています。さらに、塔の上部には美しい模様が描かれています。

白を基調としたモスクの中でこのエメラルドグリーンの模様は一際目を引きます。

肉眼でははっきりと見るのは難しいですが、こうしてアップにしてみると実に繊細な模様が描かれていることが分かります。

 

美しいアラベスク模様

モスクの外壁やモスクの周辺を見ていると、様々なところに散りばめられているのが「アラベスク模様」と呼ばれるイスラム特有の模様です。

その多くは幾何学模様や植物を表す模様になっており、その不思議なパターンと美しい配色が特徴です。

 

アラベスク模様はイスラム建築に共通した特徴ですが、そのパターンや色合いは国や建物によって異なります。

ハッサン2世モスクでも壁や柱など様々なところにこのアラベスク模様が描かれているので、ぜひ注目してみてください。

 

モスクの門と扉

モスクの周りには建物を囲うようにして作られた門があります。モスク全体を見ているだけでは分かりにくいですが、実はこの門も数十メートルはありそうな大きさです。

こちらにも美しいアラベスク模様が描かれた場所があり、その前で写真を撮りたい観光客が順番待ちの列を作っていました。

 

その門をくぐった先には建物の扉があります。こちらも見上げるほど大きく、重厚な扉にもびっしりと模様が描かれています。

その周りの壁にも細かい模様が彫られていて、扉の存在感をさらに際立たせています。

当然これらの扉を自力で開けることはできず、ここから中に入ることもできません。

 

モスク前の広場

ハッサン2世モスクの前には非常に大きな広場があります。この広場だけでなんと8万人が入れるそうです。

もちろん普段をそこまで多くの人はいませんでしたが、それでもたくさんの人 (ほとんどは観光客) で賑わっていました。

日本人が珍しいのか、広場では色々な人に話しかけられました。しまいには僕と一緒に写真を撮りたいという小学生くらいの子供が列を作る始末。

誰か有名な人とでも間違えているんだろうか…と思うほどでした。

 

広場の周りには広場を囲うようにして回廊が作られています。回廊によってできた日陰は観光客の良い休憩場所となっているようでした。

僕がハッサン2世モスクを訪れたのは2月でしたが、長袖を着ていると汗ばむくらいの陽気でした。

7月にモロッコに行ったこともありますが、夏は以外と涼しく日本よりずっと快適でした。南部や内陸は40℃近くまで気温が上がることもあるそうです。

 

 

ハッサン2世モスクの営業時間・入場料など

■ハッサン2世モスク (Hassan II Mosque)
営業時間 外観 24時間見学可。
モスク内の
見学ツアー
[3月15日〜9月15日]
(金曜以外)9時、10時、11時、12時、15時、16時
(金曜)9時、10時、15時、16時
[9月16日〜3月14日]
(金曜以外)9時、10時、11時、12時、15時
(金曜)9時、10時、15時
博物館 9:00〜13:30、14:30〜17:00
入場料 130ディルハム
博物館は30ディルハム
HP http://www.fmh2.ma/ (英、仏、西語、アラビア語)

ハッサン2世モスクは神聖な場所です。タンクトップやキャミソール、ショートパンツなど露出の多い服装は控えましょう

また、モスクの内部はツアーに参加する場合のみイスラム教徒以外も見学することができますが、大声を出したりはしゃいだりしないように注意してください。

 

ハッサン2世モスクへの行き方

ツアー以外でハッサン2世モスクへ行く場合はタクシーが一番便利です

カサブランカの主要駅である「Casa Voyageurs駅」からは車で約10分。旧市街(メディナ)の近くにある「Casa Port駅」からは車で約5分の距離です。

Casa Port駅やメディナからは歩いても30分くらいなので、天気の良い日なら歩いてみるのも良いかもしれません。

市街地でも市立公園のあたりからなら歩いて30分ほどで行くことが出来ます。僕もホテルから片道30分ほどかけて歩いて行きました。

 

次回はハッサン2世モスクの内部をご紹介します!