今回も前回に引き続き、モロッコのカサブランカにある『ハッサン2世モスク』の旅行記です。
今回はモスクの内部を見学します。巨大な礼拝堂や近くの沐浴場など、あまり見られないモスクの内側を公開!
ハッサン2世モスクについては前編をご覧ください↓
>>『ハッサン2世モスク -前編-』モロッコ最大のモスク
礼拝堂 (Prayer Hall)
ハッサン2世モスクの最大の見どころは、この巨大な『礼拝堂』です。
長さ200m、幅100mもあります。だいたいサッカーコート2面分くらいの大きさですね。広さ20,000㎡のスペースには25,000人を収容できるそうです。
モスク前の広場にはたくさんの人がいましたが、礼拝堂の中にはほとんど人がおらず、静かでおごそかな雰囲気でした。
高さ60mもある天井からは大きなシャンデリアが吊るされています。礼拝堂には全部で50個のシャンデリアがあります。
これらはヴェネツィアングラスで出来ており、高さ10m、直径6mもの大きさで、重さはひとつで1,200kgもあるそうです!
落ちてきたら大変ですね…。どうやって掃除するのか不思議です。
こちらは外からも見えていた巨大な門。外側と同様、内側にもアラベスク模様※が描かれています。
※モスクなどのイスラム建築に見られる幾何学模様
その周りの壁や扉にも繊細な模様がびっしりとアラベスク模様が描かれていました。
>>参考記事:『ハッサン2世モスク -前編-』モロッコ最大のモスク
礼拝堂を支える柱の上部をよく見ると、非常に細かい模様が描かれていることがわかります。
肉眼だとあまり見えないくらいですが、細部まで作り込まれたデザインは美しい限りです。
礼拝堂の奥の壁には窓があります。この窓の格子もアラベスク模様になっており、明るい外の光が美しいシルエットを浮かび上がらせていました。
窓の向こうは大西洋になっています。
沐浴場 (Ablution Hall)
モスクの地下には2つの『沐浴場』があります。1つは男性用、もうひとつが女性用となっています。
沐浴場には花のような形をした噴水があり、ここから出てくる水を使って沐浴をするそうです。
全部で45個ある噴水はいずれも大理石で出来ています。
沐浴場の壁や柱にも美しいアラベスク模様が描かれているので、注目してみてください。
礼拝堂はあまり色味がない模様が中心でしたが、沐浴場にはモスクのミナレットと同じようなエメラルドグリーンが多く使われていました。
その他の見どころ
ここからはハッサン2世モスクのその他の見どころをご紹介していきます。
こちらは礼拝堂から地下へと向かう途中にあるホールです。まず目に入ってくるのは巨大な壁とそこに刻まれた美しい模様です。
高さ数十メートルはある壁の上の隙間から外の光が差し込み、薄暗いホールをより幻想的な雰囲気に見せてくれます。
さらに天井を見上げると、そこにも美しい模様が描かれています。
星を思わせる全体のパターンに目が行きがちですが、その模様を作る線自体やそれに囲まれた場所にも細かい模様が刻まれているのが分かります。
どれだけ手間がかかっているのか想像もつかないほど細部まで作り込まれており、建築に関わった人たちの苦労が垣間見えるでしょう。
こちらは沐浴場前のホールです。地上から漏れる光と、シャンデリアの明かりが薄暗いホールにぼんやりと輝いています。
こちらの壁や天井にも美しい模様が描かれているので、注目してみてください。
モスクの内部を見学する方法
ハッサン2世モスクの内部はイスラム教徒以外でも見学することができますが、いつでも誰でも入れる訳ではありません。
モスクの内部を見学するには毎日決まった時間に行われるツアーに参加する必要があります。
見学ツアーの開始時間は以下の通りです。
時期 | 曜日 | ツアー開始時間 |
夏季 (3/15〜9/15) |
金曜以外 | 9時、10時、11時、12時、15時、16時 |
金曜 | 9時、10時、15時、16時 | |
冬季 (9/16〜3/14) |
金曜以外 | 9時、10時、11時、12時、15時 |
金曜 | 9時、10時、15時 |
それまでに広場の端にある博物館の受付で、ツアーに申し込みましょう。時間前でも定員になってしまうと参加できない場合があるので、お早めに。
ツアーの参加料金は130ディルハム(約1,300円)。子供やモロッコへの留学生は割引きがあります。
モスクに入る時の服装・注意点
モスクの内部は神聖な場所です。モスクの中に入る際は下記の点に注意しましょう。
露出の多い服装は控える
肩や膝が出るような露出の服装は控えましょう。ショートパンツやタンクトップ、キャミソールなどは禁止です。
モスクに入るときは靴を脱ぐ
モスクに入る際は、入口で靴を脱ぎます。靴を入れる袋を貸してもらえるので、その中に入れて持っておきます。
飲食・喫煙は禁止
モスクの中での飲食は禁止されています。飲み物を持ち込むのもやめましょう。また、喫煙も当然禁止です。
モスク内で騒がない
モスクの中で大きな声を出したり、走ったりしないように注意しましょう。
動画の撮影は禁止
モスクの中で写真を撮るのは問題ありませんが、動画の撮影は禁止です。他にもラジオなど音が出る機器の使用も禁止されています。
モスクの博物館を見学
モスクを見学したあとは、併設された『博物館』も見学してみましょう。
博物館はモスク前の広場の端にあるこちらの建物です。チケットは30ディルハム(約300円)。チケットは入って右側のカウンターで購入できます。
モスク内を見学するツアーもこちらで申し込むことができます。
博物館にはモスク建設の歴史や、モスクを彩る装飾についての展示が並んでいます。
それほど大きい博物館ではないので20〜30分もあれば見学できるでしょう。
特に面白いのはモスクの壁や天井に取り付けられたパネル。様々なパターンの模様が展示されています。
モスクは大きすぎて小さくしか見えませんでしたが、ここなら間近で見学することができます。
次回はモロッコの古都「フェズ」を訪れます!