フランス

『ノートルダム大聖堂』とセーヌ川にかかる愛の橋

ノートルダム大聖堂とセーヌ川

今回はパリのセーヌ川に浮かぶシテ島にある『ノートルダム大聖堂』(Cathédral Notre-Dame de Paris)と、その近くにある『アルシュヴェシェ橋』(Pont de l’Archevêché)を紹介します。

ノートルダム大聖堂はゴシック様式の代表的な建築物であり、世界遺産「パリのセーヌ河岸」の一部にもなっています。

そして、ノートルダム大聖堂のすぐ近くにあるアルシェヴェシェ橋は、恋人たちが取り付けた無数の「愛の南京錠」で有名なスポットです。

※ノートルダム大聖堂は、残念ながら2019年4月15日に発生した火災により一部が焼失してしまいましたが、この記事では火災の前の姿をご覧いただけます。

ノートルダム大聖堂について

パリのノートルダム大聖堂

『ノートルダム大聖堂』(ノートルダム寺院とも呼ばれます) は、12世紀〜13世紀にかけて建設されたゴシック様式の大聖堂です。

1991年には「パリのセーヌ河岸」の一部として世界遺産にも登録されました。1804年にナポレオンの戴冠式が行われた場所としても有名です。

「ノートルダム (Notre-Dame)」とは「我らの貴婦人」という意味で、つまりは聖母マリアを指します。

実はフランスをはじめ世界中に「ノートルダム」の名が付く教会や大聖堂がありますが、最も有名なのが、このパリのノートルダム大聖堂です。

ノートルダム大聖堂は、1831年に出版されたヴィクトル・ユゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」や、これを題材にしたディズニー映画「ノートルダムの鐘」でも有名です。

なお、ノートルダム大聖堂には現在も10個の鐘があり、最も大きい鐘「エマニュエル」は直径2.6m、重さは13トン以上もあります。

 

ノートルダム大聖堂の外観

パリのノートルダム大聖堂

こちらがノートルダム大聖堂のファサード (正面)。

下層部分には3つの門が並んでおり、左から聖母マリアの門最後の審判の門聖アンナの門となっています。

その上には28体の「ユダヤとイスラエルの王の像」が並んでいます。

フランス革命の際に破壊され、大きなダメージを負ったノートルダム大聖堂でしたが、19世紀にはヴィクトル・ユゴーの「ノートルダム・ド・パリ」の出版などもあり、復興運動が高まりました。

その結果、政府による大規模修復が行われ、1864年にノートルダム大聖堂は現在の美しい姿を取り戻しました。

 

パリのノートルダム寺院

こちらはセーヌ川側から見たノートルダム大聖堂の側面。ゴシック様式ならではの重厚な雰囲気を放っていますね。

全長127.5mと縦に長いノートルダム大聖堂は、正面から見るよりも横から見た時の方が大きさを感じます。

左上には「バラの窓」と呼ばれる、花びらのように放射線状に配置されたステンドグラスが見えます。

 

ノートルダム大聖堂の上部には「ガーゴイル」と呼ばれる怪物の形をした彫刻があります。このガーゴイルは雨水を排出する雨樋の役割を持っています。

また、「キマイラ」(グロテスク) という悪魔のような姿をした像がパリの街を見渡すように並んでいます。

よく「ガーゴイル」と混同されますが、この像は雨樋の機能を持っていないので、正確にはガーゴイルとは異なります。

 

ノートルダム大聖堂の内部

ノートルダム寺院の彫刻

それでは、「聖アンナの門」を通って、ノートルダム大聖堂の内部へ入っていきましょう。近くで見ると、門の上にある繊細な彫刻を細部まで見ることができます。

 

ノートルダム大聖堂の内部

こちらがノートルダム大聖堂の内部です。構造的には大アーケード、階上廊、高窓という3層に分かれています。

最低限の照明しかなく、薄暗い空間となっています。大聖堂の内部は熱心にお祈りを捧げている方もいて、ひっそりとしていました。

 

ノートルダム大聖堂のステンドグラス

ノートルダム大聖堂は、同じシテ島にある「サント・シャペル」と並び、美しいステンドグラスでも有名です。

大聖堂の正面や側面にある直径約10mの「バラの窓」をはじめ、キリストの一生を描いたステンドグラスの数々が、聖堂内部を彩ります。

ノートルダム大聖堂は高い位置に窓が多いので、ステンドグラスの細部まで見たい方は双眼鏡を持っていくと良いかもしれません。

>>参考記事:『サント・シャペル』そのステンドグラスは必見!」

 

聖歌隊席の周りには、キリストの一生を描いた「キリストの生命から」というレリーフがあります。全長10mほどの木製のレリーフに、キリストの人生の場面が描かれています。

 

夜のノートルダム大聖堂とセーヌ川

ライトアップされたノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂は夜になって日が落ちるとライトアップされます。昼間も美しいですが、優しい光に包まれた姿もとっても素敵です。

 

夜のセーヌ川とノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂の脇を流れるセーヌ川もとっても良い雰囲気でした。僕はこの日没直後の薄暗い時間が一番のお気に入りです。

ライトアップされたロマンチックなセーヌ川のほとりを、歴史あるシテ島の美しい景色を見ながら歩くのもオススメです!

 

ノートルダム大聖堂の開館時間・入場料

■ノートルダム大聖堂 (Cathédral Notre-Dame de Paris)
開館時間 夏季(4月〜9月) 10:00 – 18:30
冬季(10月〜3月) 10:00 – 17:30
休館日 1/1, 5/1, 12/25
入場料 無料
※オーディオガイドは5ユーロ
※塔の上の屋上は10ユーロ
HP (フランス語) http://www.notredamedeparis.fr

※2019年3月現在。最新の情報はホームページをご確認ください。

 

愛の南京錠がかかるアルシュヴェシェ橋

アルシェヴェシェ橋とノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂を訪れた際に合わせて見ておきたいのが、ノートルダム大聖堂の後ろ側(東側)にある『アルシュヴェシェ橋』です。

1828年にセーヌ川に架けられたこの橋は、恋人たちがフェンスに取り付けた無数の「愛の南京錠」で有名です。

パリでは、元々「ポンデザール」(Pont des Art=芸術の橋) という橋のフェンスに南京錠を取り付けて、鍵をセーヌ川に投げ込むのが恋人たちの間で流行しました。

しかし、数45トンに達した南京錠の重みでフェンスが倒れる危険が問題視されるようになりました。

その結果、2015年に「ポンデザール」の南京錠は全て撤去され、南京錠が付けられないよう、フェンスからアクリル板に変更されてしまいました。

 

セーヌ川にかかる愛の橋「アルシェヴェシェ橋」

ポンデザールと同じく数十トン分の南京錠が取り付けられたアルシュヴェシェ橋も、フェンスが崩れる危険性が問題視されていますので、いつ見れなくなるか分からない場所です。

とってもロマンチックですが、安全性には代えられませんからね。

 

次回はノートルダム大聖堂からセーヌ川を挟んですぐの場所にあるパリで一番有名な本屋さんをご紹介します!