なだらかな平地が続くパリの街で、唯一と言っていい小高い丘が『モンマルトルの丘』 (Montmartre)です。
パリの街を見渡せる眺めと、丘の上に建つサクレ・クール寺院は観光客や地元の人にも人気のスポットとなっています。
今回は、そんなモンマルトルの丘の魅力を紹介していきます!
モンマルトルはパリの芸術地区
19世紀半ば頃のモンマルトルは多くの芸術家が集まる場所でした。
開発されて様変わりしたパリを離れて、まだ美しい農村風景が残るモンマルトルに移ったり、まだ売れない画家が安いアパートを借りて暮らしていました。
その中にはピカソやモディリアーニ、ジャン・コクトーなどもいます。
19世紀後半には、ゴッホやルノワール、ドガといった芸術家がモンマルトルを生活や製作の場として使用しました。
そんな芸術の街だったモンマルトルの麓には、現在も風景画を売ったり似顔絵を描いてくれる画家が多くお店を出しています。
丘の頂上への行き方
パリで最も高い丘というだけあって、頂上までの道のりは坂道や長い階段が続きます。坂道や階段はモンマルトルの代名詞でもあり、とってもオシャレな雰囲気の場所です。
歩いて登るのはちょっと…という人は、メトロの「Anvers駅」から丘の麓まで歩き、そこからフニクレールというケーブルカーを利用すると良いでしょう。
ケーブルカーはメトロ・バスの切符で乗ることができ、料金は1.9ユーロとお手頃。
ケーブルカーの他には、「Blanche駅」の前から出ているプチトランという汽車の形をした観光バスもあります。
観光名所を見ながら頂上までゆっくり登ることができます。プチトランの料金は6.5ユーロです。
モンマルトルの丘には公園があり、公園の入り口の左側にはメリーゴーランドがあります。
このモンマルトルのメリーゴーランドは、モンマルトルがロケ地になっている映画「アメリ」にも登場したもので、映画を見たことがある人にとっては見覚えのある場所ではないでしょうか。
この日はあいにくの曇り空でしたが、晴れた暖かい日には公園の芝生の上でくつろぐ人がたくさんいて、パリ市民の憩いの場にもなっています。
サクレ・クール寺院と頂上からの景色
丘の頂上には「サクレ・クール寺院」というロマネスク・ビザンチン様式の大聖堂が建っています。近くで見るととても大きくて迫力があります。
高い建物が少ないパリでは、モンマルトル周辺だけでなく、パリ中の様々な場所から見えるので、パリの人たちにとってはとても馴染み深い寺院です。
1914年に完成したサクレ・クール寺院ですが、着工したのは1877年。実に40年近くの歳月をかけて建設されました。
フランスとプロイセン王国 (現在のドイツ北部からポーランドにあった王国) の間で起こった普仏戦争の犠牲者に捧げられた大聖堂でした。
20世紀に出来た比較的新しい大聖堂ですが、パリ観光からは外せない人気スポットになっています。
サクレ・クール寺院からはパリの街が一望できます。モンマルトルの丘はパリで一番標高が高い場所なので、その眺めは最高です。
パリの街は景観を守る為に高層ビルなどの高い建物があまりないので、かなり遠くまで見渡すことができます。
サクレ・クール寺院は内部を見学することもできます。大きなドーム型の天井には美しいモザイク画が描かれています。広々とした聖堂内は、とっても荘厳な雰囲気です。
映画で有名な「ムーラン・ルージュ」
モンマルトルの麓に広がる歓楽街の中に、映画でも有名になったキャバレー「ムーラン・ルージュ」があります。
赤い大きな風車が目印ですが、ムーラン・ルージュというのは、赤い風車という意味なんです。
ムーラン・ルージュでは、毎晩華やかな歌やダンスのショーが繰り広げられます。
特に「フレンチ・カンカン」と呼ばれる、ロングスカートにペチコート、黒ストッキングを纏った女性が踊るラインダンスが人気。
モンマルトルを訪れた際は是非立ち寄りたいスポットです。
次回はパリのシテ島にある「ノートルダム大聖堂」をご紹介します!
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