今回は、イスラム圏へ旅行や仕事に行く人に知っておいてほしい「ハラル (ハラール)」についてお話します。
宗教的に食べるものに制限がある為、お土産としてお菓子を持って行く際は、イスラム教で禁止されたものが入っていないもの=「ハラルのもの」を選ぶ必要があります。
羽田空港と成田空港には、ハラルのお菓子を扱うお店がありますので、ここで選べば失敗することがありません。イスラム圏の方へお土産を買おうと思っている方はぜひ参考にしてください。
ネットで買えるハラルのお菓子も紹介していますので、事前に購入しておくこともできますよ!
ハラル(ハラール)とは
ハラル (ハラール) はアラビア語で「イスラムの教えで許されたもの」を表す言葉です。反対にイスラム教で禁じられたものをハラームと言います。
イスラム教では、豚を食べることやお酒を飲むことが禁じられていますが、その他の食品についても実は色々な制限があるんです。
例えば、豚以外のお肉もイスラムのルールに則った方法で加工されたものでなければいけません。
例えば、日本のお菓子の定番「あられ」。お肉なんて入っていないはず…と思ってしまいますが、実は多くのあられには「ゼラチン」が使われています。
ゼラチンは動物由来のコラーゲンが原料なので、イスラムの教えに則って加工されたものでなければ食べられません。
しかし、日本で作られたゼラチンは通常イスラムの教えに従った加工方法はされないので、これらをイスラム教徒(ムスリム)の方が口にすることはできません。
意外と多いイスラム圏の国
イスラム教は1400年ほど前にアラビア半島で広まったとされる教えです。イスラムの教えを信じるイスラム教徒の方をムスリムと言います。
イスラム教徒の方は唯一神アッラーを信仰し、神の教えで定められた日常の行動により信仰を示します。その中には神の教えで禁じられた食品を避けるという行動も含まれます。
現在、世界には約16億人のイスラム教徒がいると言われています。
イランやイラクといった中東のイメージが強いかもしれませんが、最もイスラム教徒が多い国は東南アジアのインドネシアで、人口の9割以上に当たる2億人以上がイスラム教徒です。
パキスタン(1.9億人)やバングラデシュ(1.5億人)、インド(1.6億人)といった南アジアの国にも多くのイスラム教徒がいます。
アフリカではエジプトやモロッコ、チュニジアなど北アフリカの国にイスラム教徒の方が多いです。
ヨーロッパにもたくさんのイスラム教徒が暮らしており、トルコでは人口の99%以上に当たる7400万人がイスラム教徒です。
ハラル認証って何?
特に食品の場合、イスラム教で禁じられたものが入っているのか、入っていないのかは非常に判断が難しいです。そこで1970年頃にマレーシアで始まったのが「ハラル認証」です。
材料だけでなくその生産・加工過程まで一貫してハラルであることを認証するもので、この認証を受けていれば基本的にイスラム教徒の方でも安心して口にできる食品であると言えます。
現在、世界には200以上のハラル認証機関があり、日本でもハラル認証を受けた製品を購入することができるようになっています。
もちろん、ハラル認証を受けていなくてもハラルに該当する食べ物はありますが、材料はともかくその生産工程までハラルに該当するかを見極めるのは非常に困難です。
羽田空港でハラルのお菓子が買えるお店
羽田空港でハラルのお土産コーナーがあるお店は2つ。ひとつめは国際線ターミナルの4階、江戸小路にある『EDO食賓館』というお店。
3階の出発ロビー中央のエスカレーターを上がって左手にあります。
お店の一角にハラルのお土産コーナーが設置されていました。緑色のハラル認証マークが目印です。
商品の種類が豊富で、おせんべいやカステラ、あられ、チョコレート、ラングドシャもありました。値段もひとつ600円〜1400円とお手頃です。
EDO食賓館の営業時間は7時〜22時まで。
早朝や深夜に空港に到着する方は、事前にネットで購入しておきましょう!後述の「ネットで買えるハラルのお土産」をご参照ください。
もうひとつのお店は、国際線ターミナル1階のエントランスプラザにある『Air LAWSON (エアー・ローソン)』です。
入口左手にハラルのお土産コーナーがあります。こちらではカステラとおせんべい、チョコレートが売られていました。
羽田空港ではお土産コーナーだけではなく、ハラル対応のレストランもあります。それが国際線ターミナル4階のおこのみ横丁にある『けばぶ工房』。看板にハラル認証のマークが付いています。
けばぶ工房はトルコ料理の代表「ケバブ」を販売するテイクアウト専門のレストラン。羽田空港の第2ターミナルにあるレストラン「ミセス・イスタンブール」がプロデュースするお店です。
成田空港でハラルのお菓子が買えるお店
成田空港でハラルのお土産が購入できるお店は、第1ターミナル4階にある『東京食賓館 おもたせ処』です。
北ウイングの出発ロビーからレストランやショップがあるエリアに入り、左へ進んだところにあります。
こちらではハラル認証のチョコレート、あられ、おせんべいが売られていました。以前はお店の入口左手にハラル認証のお土産コーナーがありましたが、今年訪れた際はお店の中に移動していました。
おもたせ処の営業時間は7時30分〜21時30分まで。
早朝や深夜に空港に到着する方は、事前にネットで購入しておきましょう!後述の「ネットで買えるハラルのお土産」をご参照ください。
関西空港では…
関西空港でもインフォメーションでハラルのお土産が買えるお店がないか聞いてみましたが、羽田空港や成田空港のようにハラルのお土産を集めたコーナーがある店はないそうです。
ハラル認証を受けた商品も見つけることができませんでした。
材料からある程度判断することはできますが、製造工程も含めてハラルである確証はないので、できれば事前にネットなどでハラル認証を受けた商品を購入しておくと安心でしょう。
下記の「ネットで購入できるハラルのお菓子」を参考にしてください。
ネットで購入できるハラルのお菓子
空港でハラルのお土産を見つけられるか不安な方や、早朝・深夜に空港に到着する方、たくさん購入が必要な方は事前にネットで購入しておくことをお勧めします!
ネットで買えるハラールのお菓子をいくつか紹介しておきます。
アリモト 山田錦せんべい(ハラル認証あり)
「山田錦せんべい」は酒造米である山田錦を使って作られたおせんべいで、ハラル認証を取得しています。1箱30枚入りなので、たくさんの人で分けてもらうことも可能です。
味はエビ、塩、半分ずつの3種類。軽いので持ち運びも楽です。
廣榮堂 元祖きびだんご(ハラル認証あり)
岡山名物の「元祖きびだんご」もハラル認証を取得したお菓子のひとつです。日本の和菓子をムスリムの方にも味わってもらうには良い商品でしょう。
他にも「黒糖きびだんご」や「むかし吉備団子」など8種類がハラル認証を取得しています。生菓子のため賞味期限が短いので注意してください。
とらや 小型羊羹(ハラル認証なし)
「とらやの小型羊羹」はハラル認証こそ取得していないものの、原材料的にはハラルです。とらやは原材料をすべて公開しているので、安心して購入することができます。
小さく個別包装された小型羊羹は複数の人で分けてもらう時にも便利ですね。
ヨックモック シガール(ハラル認証なし)
こちらもハラル認証は取得していませんが、UAEのアブダビにも店舗があるほど中東で人気のヨックモック。中でもシガールは看板商品ですね。特に中東では知名度が高いので、喜ばれるでしょう。
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