今回は古代アテネの文化的中心地『古代アゴラ』をご紹介します。
古代アゴラは、アテネの観光地としてはアクロポリスの影に隠れているせいか、それほど知名度は高くないですが、なかなか面白い場所です。
特に遺跡好きな方にはお勧めしたい観光スポットです。
古代アテネの文化的中心地「古代アゴラ」
『古代アゴラ』は、古代アテネにおいて政治や宗教、文化の中心だった場所です。
信仰の対象だったアクロポリスに対して、古代アゴラは市民の生活の場として栄えた場所ということですね。
古代アゴラ入ると、まず左手に教会があります。こちらは11世紀頃に建てられた教会で、古代アテネのものではないそうです。
そこから敷地の奥に見えるヘファイストス神殿に向かって歩いていきます。
敷地内にはたくさんの遺跡があり、こういった雰囲気が好きな人にはたまらないと思います。
一番の見どころは「ヘファイストス神殿」
古代アゴラの一番の見所「ヘファイストス神殿」は古代アゴラの中でも少し高い場所にあります。古代アゴラ全体が見える丘の上へと登っていきます。
ヘファイストス神殿は、ギリシャ神話に登場するオリンポス十二神の1神である「ヘファイストス」を祀った神殿なのです。
実はこの辺りは鍛冶屋や窯業者が集まる地区だったことから、炎と鍛冶の神であるヘファイストスを祀る神殿が作られたそうです。
ヘファイストス神殿が、パルテノン神殿と同じドーリア式の神殿で、紀元前415年頃に完成しました。短辺に6本、長辺には13本の円柱があります。
サイズはパルテノン神殿に比べると随分小さいですが、とても綺麗な状態で保存されているのが特徴です。
パルテノン神殿とは違って屋根までほぼ完全な形で残っています。メトープと呼ばれる屋根の下の石版にはヘラクレスやテセウスが描かれています。
ポセイドンの息子「トリトンの像」
アゴラの北側には「トリトンの像」があります。
トリトンはギリシャ神話に登場する海の神で、オリンポス十二神の1神であるポセイドンの息子です。
途中で大きな犬が寝ていまいした。ここで保護されているみたいです。ギリシャの他の観光地でも同じように犬や猫を見かけました。
こういった動物と共存するための取り組みは素晴らしいと思います。とても大人しいので、犬が苦手な方も安心して下さい。
博物館にもなっている「アタロスの柱廊」
こちらが古代アゴラのもう一つのハイライト「アタロスの柱廊」です。
アタロスの柱廊は2世紀に作られた市場兼集会所で、現在中は古代アゴラ博物館という博物館になっています。
外にはたくさんの彫像が並んでいました。中には古代アゴラで発掘された陶器や工芸品が展示されています。
予想以上に多くの展示品があり、大満足でした!
古代アゴラの営業時間・入場料など
■古代アゴラ (Ancient Agora) | |
営業時間 | 8:00〜20:00 ※冬季(11/1〜3/31)は〜15:00 |
休業日 | 1/1、3/25、5/1、12/25〜26、イースターの日曜日 (日付は年によって変わります) |
入場料 | 8ユーロ(単独) ※アクロポリスやゼウス神殿との共通チケットは30ユーロ (5日間有効) |
HP | http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2485 |
古代アゴラの入場料は8ユーロですが、アクロポリスやゼウス神殿などとの共通チケットが30ユーロで買えます。
アクロポリスの入場料が20ユーロなので、何ヶ所か回るのであれば、共通チケットがお得です。
古代アゴラへの行き方・入口
古代アゴラの最寄駅は「モナスティラキ駅」です。入口までは徒歩3分ほどで着きます。
古代アゴラはアクロポリスの麓にあるので、アクロポリスとセットで訪れるのがオススメです。アクロポリスからは徒歩7分ほどです。
古代アゴラは入口が分かりにくいの注意が必要です。上の地図の印の場所に入口があるので、そこから入場しましょう。
モナスティラキ駅から行く場合は北側の入口、アクロポリスから行く場合は南側の入口が近いです。
他にも入口っぽい場所があっても閉まっていたり、入れる場所を見つけるのに少し苦労しました。
おまけ:古代アゴラの近くにある「ローマン・アゴラ」
古代アゴラの近くには「ローマン・アゴラ」という、1世紀に作られたもうひとつの「アゴラ」があります。
ローマン・アゴラは、カエサルとアウグストゥスによって作られた古代ローマ時代のアゴラです。こちらもアクロポリスや古代アゴラとの共通チケットで入場できます。
ローマン・アゴラの北にはローマ皇帝ハドリアヌスが建設した「ハドリアヌスの図書館」があります。
現在、建物自体はほとんど残っていませんが西側にある入口付近と、その奥に柱や門が遺跡として残っています。
次回は第1回近代オリンピックの舞台「パナシナイコ・スタジアム」を訪れます!