フライト

『アエロメヒコ航空』搭乗記。最悪な評判の真相は…

アエロメヒコ航空の機体

今回はメキシコの航空会社『アエロメヒコ航空』の搭乗記をお伝えします。成田空港からメキシコシティーまで約12時間の長時間フライトでした。

あまり良い評判を聞かないアエロメヒコ航空なのですが、実際に乗ってみて分かったことが色々とありました。

これからアエロメヒコ航空を利用しようか検討している方には、ぜひ参考にしていただけると思います!

※掲載の情報は2019年9月時点のものです。

アエロメヒコ航空について

「アエロメヒコ航空」はメキシコ・シティーに拠点を置くメキシコ最大の航空会社です。メキシコ国内や南北アメリカをはじめ、アジアやヨーロッパへも就航しています。

日本では成田空港からメキシコ・シティーへの直航便を運行していますが、現在は日本航空とのコードシェア扱いとなっています。

1934年に設立されたアエロメヒコ航空は、2000年に航空会社連合「スカイチーム」に加盟しました。デルタ航空やエールフランス航空、大韓航空といった航空会社と並び、同連盟の主要メンバーのひとつとなっています。

 

評判

搭乗記を書く前にアエロメヒコ航空の評判について。

同じく日本からメキシコシティーの直行便を運行しているANA、北米のスカイチームメンバーであるデルタ航空と比較してみます。

アエロメヒコ ANA デルタ航空
H.I.S 2.6 / 5 点 3.7 / 5 点 3.1 / 5 点
トリップアドバイザー 3.5 / 5 点 4.5 / 5 点 4.0 / 5 点
Fly Team 3.4 / 5 点 4.0 / 5 点 3.7 / 5 点

※2020年1月現在

ANAには大差をつけられての完敗。平均的な評価のデルタ航空と比べても断然低いです。それもそのはず。

アエロメヒコは世界中の大手航空会社の中でも顧客満足度で最下位争いの常連なのです。

なぜそこまで評価が低いのでしょうか。本当に利用すべきではないのか、実際に乗ってみた感想をお伝えして行きます。

 

チェックイン方法

成田空港のアエロメヒコ航空チェックイン機

成田空港からアエロメヒコ航空に乗る場合、チェックインは写真の自動チェックイン機で行います。これはデルタ航空など、スカイチームの他の航空会社と同様です。

自動チェックイン機もデルタ航空や大韓航空などと共通になっていますので、最初の画面で航空会社を選択して操作を進めて行きます。

自動チェックイン機でチェックインを済ませた後、手荷物を預ける場合はカウンターで手続きを行います

いつも思うんですけど、この仕組みは手間が省けるどころか二度手間になるだけなのでやめてほしいです…。

 

定時運行率

OAG (Official Aviation Guide) によるアエロメヒコの定時運行率80.5%。ANAの85.2%、デルタ航空の83.4%と比べて低いですが、そこまで大差というわけでもありません。

※定時運行率:予定時間から15分以内に出発した割合

数字だけ見ると以前よりはずいぶん改善されてきたようですが、メキシコの国内線なんかは今でも頻繁に遅れやキャンセルが発生しているそうです。

成田空港からメキシコシティーへの便はアエロメヒコというよりも成田空港の力があるので、ある程度遅れは少ないと思います。

 

機体

アエロメヒコ航空の機体

アエロメヒコ航空は主力機種のボーイング737をはじめ約70機を保有しています。

成田空港からメキシコシティーへの便はボーイング787、通称「ドリームライナー」で運行されています。

子会社の「アエロメヒコ・コネクト」が運行する国内線には、ブラジルの航空機メーカー「エンブレアル」の小型ジェット機も使用されてます。

白をベースにした機体には、メキシコ国旗と「AEROMEXICO」の文字と赤い曲線がアクセントになっています。

尾翼付近とエンジンは濃い青にカラーリングされ、尾翼には「イーグルナイト」というメキシコの戦士のマークが描かれています。

 

機内・座席

アエロメヒコ航空の機内

新しいドリームライナーだけあって機内は割と綺麗でした。清掃も行き届いている印象ですし (成田空港だから?)、シートの痛みなどもありません。

内装は特に凝った感じはなくシンプルですが、評判の悪さを聞いていただけに意外と良いかも、と思いました。

 

アエロメヒコ航空の座席

シートは紺色の布地に、ヘッドレストの部分だけが合皮になっています。

ドリームライナーの窓にはブラインドがありません。ボタンを操作して光の量を調整できます。

 

アエロメヒコ航空のモニター

座席のモニターも大きくて綺麗です。USBの差込口もあるので、スマホなどの充電もできます。

「今はリラックスタイムですよ」とか「ドリムライナー」など、所々日本語がおかしいのはご愛嬌ということで。

 

アエロメヒコ航空のアイマスクと耳栓

出発前には耳栓とアイマスクが配られました。長時間のフライトになるので、睡眠を助けてくれるグッズはあると嬉しいかもしれません。

 

機内食

アエロメヒコ航空の機内食(夕食)

次は気になる機内食について。評判の悪いアエロメヒコならきっと機内食もヒドイはず…と思っていました。しかし、そのクオリティは普通。

夕食はトマトソースのパスタ。普通のサラダに普通のパン、普通のケーキ。本当にスタンダードなエコノミークラスの機内食といった感じでした。

 

アエロメヒコ航空の機内食(朝食)

朝食はオムレツとソーセージ、ポテト、クロワッサン、フルーツというメニュー。こちらも悪くなかったですね。

このメニューで失敗しようがない気もしますが、それくらいの方が安心できて良いです。

 

アエロメヒコ航空のお菓子

機内で出された軽食は「ハポネス・ニシヤマ」(日本の西山) というピーナッツのお菓子でした。

日本からの機内だけでなく、メキシコの空港にも置いてあったので、現地では割とポピュラーなお菓子なのかもしれません。

多分、メキシコに渡った日本からの移民の方が広めたお菓子なんだと思います。

 

機内コンテンツ

次は映画などの機内コンテンツ。長時間のフライトには欠かせない部分ですね。

映画の数はそれなりに揃っており、他社と比べて極端に少ないということはありません。

当時日本で公開が始まったばかりだった「ロケットマン」や「トールキン 旅のはじまり」、DVD発売前の「アラジン」、「ペット2」、「名探偵ピカチュウ」など話題の作品も色々ありました

邦画では2018年末に公開された大泉洋さん主演の「こんな夜更けにバナナかよ」、同じく2018年公開の「未来のミライ」などがありましたが、日本語で見られるコンテンツは少なかったです。

映画以外では「Sport24」や「CNN」といったテレビの生放送が見られます。

 

機内誌

アエロメヒコ航空の機内誌

こちらはアエロメヒコ航空の機内し「aire」です。その他、Gran Planという旅行プロモーションの冊子、そして機内Wi-Fiの説明書が置かれていました。

 

アエロメヒコ航空の機内誌

この時の機内誌はアエロメヒコの85周年を記念して、これまでの歴史などが書かれた記事がメインでした。

記事はメキシコの公用語であるスペイン語と英語が併記されています。日本語の記載はありません

 

アエロメヒコ航空のWi-Fi説明書

こちらはWi-Fiの説明書です。テキストメッセージは無料、19.95ドル (約2200円)で180MBまで、39.95ドル (約4,400円)で無制限での利用が可能です。

 

非常に残念だったのは…

ここまで書いてきた内容を見ると、意外と普通じゃないか、と思うかもしれません。僕もそう思います。しかし、やっぱり非常に残念な点がありました。

それはCAさんのサービスの質です。まず愛想が悪い。欧米の航空会社であればどこでも愛想が良くない人は多かれ少なかれいますが、アエロメヒコは特に顕著でした。

次に、英語が話せない。話せないのか話さないのか分かりませんが、ほぼ全員が日本人相手でもスペイン語で話しかけてきます。

こっちが英語で話しても伝わっているのかいないのかイマイチ分からない反応。返ってくる言葉も結局スペイン語でした。

CAさんのサービスには航空会社の教育の質が現れます。機内食やドリンクを配るだけでも粗が目立つようでは、いざという時に全く頼りにならないな、というのが正直な印象です。

僕は特に嫌な思いをするほどの経験はありませんでしたが、機内で病人が出たり、空港で荷物がなくなったりした時の対応も悪いんだろうな、と思わざるを得ません。

実際に評判の悪さもそういった部分から来ています。

 

個人的評価

★★★★☆☆☆☆☆☆ 4/10

評判のような「めちゃくちゃ悪いから乗らない方が良い」という航空会社ではないと思います。日本発着便は機体も綺麗ですし、機内食や機内コンテンツも普通程度ではあります。

しかし、サービスの質が悪いのは覚悟が必要です。期待はしないでください。

日本からメキシコシティへはANAの便も利用したことがありますが、言うまでもなく全てにおいてANAが上です。

機体:新しいボーイング787で、内装も比較的キレイ。
機内食:普通。無難なメニューなら失敗はないでしょう。
機内コンテンツ:種類はそこそこ。ただし、日本語のものは少ない。
サービス:良くない。期待できません。

 

次回はメキシコシティー空港のラウンジをご紹介します!