今回からはパリの定番観光スポットを紹介していきます。まずは言わずと知れたパリのシンボル『エッフェル搭』。パリを訪れた際には必ず見ておきたい場所ですね。
そんなエッフェル塔を眺めるのにオススメの場所や、ライトアップされたエッフェル塔、展望台の優先チケットの入手方法などをご紹介します。
エッフェル塔の歴史
エッフェル塔は1889年にフランス革命100周年を記念してパリで開催された万国博覧会「パリ万博」 の目玉として建設されました。東京タワーより約70年も前に完成していたことになります。
高さは324mで、333mの東京タワーとほぼ同じ高さです。当時、世界中を見ても150m前後の建物しかなかった中で、その大きさは万博に訪れた人たちに強烈なインパクトを与えました。
その後、1930年にニューヨークのクライスラー・ビルディングが完成するまでの41年間、世界で一番高い建物でした。
パリ万博が終了した後は徐々に観光客が減少し、1900年台前半には取り壊しの危機に瀕します。
しかし、フランス軍が軍事用無線の電波塔として使用したことから取り壊しを免れ、現在では観光地および電波塔としてパリになくてはならない存在になっています。2002年には通算入場者数が2億人に達しました。
「エッフェル塔」という名は、塔の建設を請け負った建設会社「エッフェル社」の社長であり、塔の設計にも携わったギュスターヴ・エッフェルに由来します。
ちなみにエッフェル塔はフランス語で”Tour Eiffel”(トゥール・エッフェル)、英語では”Eiffel Tower”(アイフェル・タワー)と言います。
エッフェル塔への行き方
エッフェル塔はパリの7区にあるシャン・ド・マルス公園の脇に立っています。
エッフェル塔に電車で行く場合、RER(パリ近郊を走る急行列車)C線のシャン・ド・マルス – トゥール・エッフェル駅 (Champ de Mars – Tour Eiffel) が最寄り駅です。メトロ6番線のビラケム駅 (Bir-Hakeim) からでも徒歩数分です。
駅を出てセーヌ川沿いに400mほど北東へ進むとエッフェル塔に着きます。
定番はシャン・ド・マルス公園から
パリには高層ビルが少なく、街の様々な場所からエッフェル塔を見ることができます。それがパリにおいてエッフェル塔の存在感が大きい理由の一つだと思います。
中でも間近で見るエッフェル塔は迫力があり、美しいものです。
エッフェル塔が見られる定番のスポットは「シャン・ド・マルス公園」です。シャン・ド・マルス公園からは美しいエッフェル塔の姿を間近に眺めることができます。
特に暖かい時期は公園の芝生の上に座って話をしたり、ご飯を食べたりするたくさんの人の姿があります。僕が訪れたのは真冬の寒い日だったので、そういう人たちはあまりいませんでしたが。
公園の木々も葉を落としていたので、ちょっと寂しい雰囲気ですが、これはこれで季節を感じることが出来ます。
この時はエッフェル塔の下に鮮やかな模様の大きな球体がぶら下がっていました。ちょうどパリで開催されていたCOP21(気候変動枠組条約締結国会議)を記念して設置されていたようです。
おすすめはシャイヨー宮からの眺め
写真や映像でよく見るエッフェル塔の姿は、シャン・ド・マルス公園から見たものですが、セーヌ川を挟んだ対岸にある「シャイヨー宮」という場所から眺めるエッフェル塔もオススメです。
シャイヨー宮は、メトロ6番線または9番線のトロカデロ駅 (Trocadéro) を降りてすぐの場所にあります。
エッフェル塔のある場所からも、セーヌ川に架かるイエナ橋を渡って歩いて行くことができます。
シャイヨー宮は1937年に開催されたパリ万博に合わせて建設された大型の展示会場です。この場所は元々シャイヨーの丘と呼ばれ、17世紀にはシャイヨ修道院がありました。
18世紀に修道院は焼失してしまいますが、1876年には1878年のパリ万博に合わせてトロカデロ宮殿が作られました。
シャイヨー宮は新古典主義建築の建物で、ルイ=イポリット・ボワロー、ジャック・カルリュ、レオン・アゼマという3人の建築家によって設計されました。
シャイヨー宮の建物は湾曲した双翼の形で、2つの建物の間が広々とした広場になっており、ここから美しいエッフェル塔の姿を眺めることができます。
シャイヨー宮の正面にはフランスの彫刻家アンリ・ブシャールが手がけたアポロンの像があります。
後ろに見える建物の上部には、フランスの作家ポール・ヴァレリーの言葉の引用が刻まれています。
シャイヨー宮の前には「トロカデロ庭園」という広場が広がっています。噴水が水しぶきを上げる水路の両脇に美しい緑の芝生が広がっています。
シャイヨー宮から見たエッフェル塔の姿がこちら。澄んだ青空にエッフェル塔の美しい姿が映えます。手前に広がるトロカデロ庭園も綺麗ですね。
庭園の他にシャイヨー宮の建物や広場、階段などの要素を入れて写真を撮ることで、様々なシーンが撮れるのも魅力です。
ネットで検索すると素晴らしい作品がたくさん出てくるので、それらを見ながら事前にイメージを膨らませておくと、実際に行った際に良い写真が撮れると思います。
トロカデロ庭園の入口付近にはメリーゴーランドがあります。パリでは、エッフェル塔やサクレ・クール寺院があるモンマルトルの丘などの観光地にメリーゴーランドがありました。
メリーゴーランドのクラシックな雰囲気とエッフェル塔の組み合わせも面白いですね。
ライトアップされたエッフェル塔
エッフェル塔は夜になるとライトアップされ、一段と美しい姿を見せてくれます。その姿は遠くからでもパリの街の中で際立っています。もちろん間近で見るとさらに綺麗です。
そして、1時間に1回「ダイヤモンド・フラッシュ」と呼ばれる、塔がキラキラと光る演出があります。ダイヤモンド・フラッシュは日没後の毎時00分から5分間だけ見ることができます。
エッフェル塔には2万個もの電球が付いているそうです。常に全てが光っている訳ではありませんが、イベントの時などは普段と異なる色にライトアップされることもあり、運が良ければその時しか見られない姿が見られることもあります。
展望台への優先チケットがおすすめ!
外から眺めるエッフェル塔も綺麗ですが、エッフェル塔の展望台から眺めたパリの街もとっても綺麗なんです。
エッフェル塔には第1~第3展望台まで3つの展望台があります。第1展望台が約57m、第2展望台が約115m、第3展望台が約276mの高さにあります。
第2展望台まではエレベーターか階段で、第3展望台まではエレベーターで行くことが出来ます。
しかし観光客にとても人気のエッフェル塔なので、入場待ちの人で長蛇の列が出来ることもしばしば。特に春~夏の観光シーズンには数時間待ちになることもあるそうです!
僕がエッフェル塔に登ったのは冬の夜でしたが、その時もやはり列が出来ていました。とても寒い中、我慢して20分ほど並びました。
行列に並びたくない方は、事前に「優先チケット」を入手しておくことをおすすめします!
優先チケットはオプショナルツアーで有名な「VELTRA」のホームページで取り扱っています。
第2・第3展望台への優先チケットや、ガイド付きツアー、セーヌ川クルーズとセットになったチケットなど、色々なチケットが販売されています!
展望台からの景色
この日は強風の為、残念ながら第3展望台が運休になっており、行くことが出来ませんでした。しかし、第2展望台からの景色も十分綺麗です(写真はかなりブレてしまっていますが…)。
屋外に出ることもできるので、パリの空気を感じながら遮るものなく360°の景色を眺めることが出来ます。
パリのキラキラした夜景はなんだか品があって素敵です。高い建物が少ないパリの街を眺めるには、第2展望台くらいが丁度良いかもしれませんね。第1展望台と第2展望台にはレストランもあります。
第2展望台にあるレストラン「ジュール・ベルヌ」はフランス料理の大人気シェフ「アラン・デュカス」氏のお店で、ミシュランでも1つ星を獲得している名店です。
エッフェル塔の営業時間・入場料
■エッフェル塔 (Tour Eiffel) | ||
営業時間 | 夏季 | 9:00 – 24:00 |
冬季 | 9:30 – 23:00 | |
入場料 | 第2展望台まで(エレベーター) | 16ユーロ |
第2展望台まで(階段) | 10ユーロ | |
第3展望台まで | 25ユーロ | |
営業日 | 年中無休 | |
HP (日本語あり) | https://www.toureiffel.paris/jp |
※2019年1月現在。最新の情報はホームページをご確認ください。
次回はパリのもうひとつのシンボル「凱旋門」をご紹介します!
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