今回はパリを流れるセーヌ川と、そこに架かる『アレクサンドル3世橋』をご紹介します。
セーヌ川はパリの中心を流れる川で、数々の観光名所が並び世界遺産にも登録されている地域を眺めるセーヌ川クルーズが人気です。
アレクサンドル3世橋は、セーヌ川にかかる最も美しい橋と言われ、パリを舞台にした映画にも必ず必ずと言って良いほど登場する有名スポットです。
パリとセーヌ川
『セーヌ川』(La Seine) はフランス中部のブルゴーニュ地方から、パリを通ってル・アーブルとオンフールの間にあるセーヌ湾へと流れる全長約720kmの川です。
これは、フランスでもロワール川に続く第2位の長さです。
パリは、セーヌ川の中州であるシテ島を中心に発達してきました。シテ島には現在もノートルダム大聖堂やサント・シャペルをはじめ、歴史ある建物が多く残っています。
現在のパリはセーヌ川を挟んで南北に広がっており、セーヌ川の北側を「セーヌ右岸」。セーヌ川の南側を「セーヌ左岸」と呼びます。
パリ4区と5区を結ぶ「シュリー橋」からエッフェル塔の足元にある「イエナ橋」の間の8kmは「パリのセーヌ河岸」として世界遺産に登録されています。
セーヌ右岸にあるルーブル宮殿(美術館)やチュイルリー庭園、コンコルド広場、マレ地区などが、セーヌ左岸にあるエッフェル塔やオルセー美術館、そしてシテ島やサン・ルイ島などが世界遺産に含まれています。
これらを眺められるセーヌ川クルーズはパリで人気のアトラクションとなっています。
また、セーヌ川沿いに並ぶ「ブキニスト」と呼ばれる古本屋や、夏になると登場する仮設のビーチもパリの名物となっています。
アレクサンドル3世橋
『アレクサンドル3世橋』は、世界遺産「パリのセーヌ河岸」にも含まれ、セーヌ川に架かるたくさんの橋の中でも、最も美しいと言われる橋です。
パリを舞台にした映画にも度々登場する有名な観光スポットになっています。
アレクサンドル3世橋は、フランス共和国の大統領だったサディ・カルノーとロシア皇帝アレクサンドル3世との友好の証として、アレクサンドル3世の息子でありロシア皇帝のニコライ2世より寄贈され、1900年のパリ万博に合わせて建設されました。
アレクサンドル3世橋の外観
橋はセーヌ川の右岸にあるパリ万博の展示会場だったグランパレ・パレおよびプチ・パレと、セーヌ川の左岸にあるアンヴァリッド公園を結ぶように架けられています。
アレクサンドル3世橋は幅40m、長さ107mあり、橋げたの無いアーチ状になっています。橋の脇にはセーヌ川のほとりに降りられる階段があります。
そこからはアレクサンドル3世橋を見上げることができ、橋の側面に施された彫刻など、普段とは違った部分が見られます。
アレクサンドル3世橋の一番の特徴は、四隅に立つ高さ17mの柱と、その上にある黄金の像。
それぞれ「芸術」「農業」「闘争」「戦争」を表現した女神とペガサスの像になっています。
また、装飾は中世のフランス、近代のフランス、ルネサンス期のフランス、そしてルイ14世時代のフランスをテーマにしています。
四隅の柱以外にも、橋の両脇には天使やニンフなどの彫刻が施され、ちょっとした美術館のようですらあります。
また、アールヌーボー様式の街灯は、夜になると幻想的な雰囲気を醸し出します。
アレクサンドル3世橋の夜景
僕のオススメはライトアップされたアレクサンドル3世橋の夜景です。
街灯にはオレンジ色の明かりが灯り、四隅の柱と女神の像はライトアップされて浮かび上がります。
橋の上からは、セーヌ川沿いの美しい街並みと、遠くにはエッフェル塔を眺めることができます。
この時エッフェル塔はかなり暗い演出でしたが、普段はもっと明るく輝いています。
アレクサンドル3世橋が登場する映画
アレクサンドル3世橋は色々な映画のロケ地にもなっています。ウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」では、ラストシーンにアレクサンドル3世橋が出てきます。
また、リュック・ベッソン監督の「Angel-A (アンジェラ)」では、自殺しようとしていた主人公が、ヒロインのアンジェラに出会うシーンに使用されています。
>>参考記事:パリが舞台の映画6本。観ればきっとパリに行きたくなる!
アレクサンドル3世橋はメトロ8番線と13番線およびRER C線のアンヴァリッド駅を出てすぐの場所にあります。
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