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アンテロープキャニオンで綺麗な写真を撮る3つのコツ

ロウアーアンテロープキャニオン

前回、前々回にご紹介した『アンテロープキャニオン』は、流れるような美しい模様の砂岩に囲まれた渓谷で、たくさん写真を撮りたくなる絶景です。

しかし、岩に囲まれた暗い渓谷の中で、見たままの美しさを写真に残すには少しコツが必要です。

というわけで、今回はカメラの知識がない方でもアンテロープキャニオンで簡単に綺麗な写真が撮れる3つのコツをご紹介したいと思います。

一眼カメラを持っていなくても、コンパクトカメラや、スマホのカメラでも簡単に実践できる方法です。

アンテロープキャニオン以外でも使えるテクニックなので、ぜひ試してみてください!

こんな写真が撮れるようになる

まずはアンテロープキャニオンで撮影した、美しい景観をご覧ください。この記事を読めばこんな写真が簡単に取れるようになります。

ロウアー・アンテロープキャニオン
アンテロープキャニオン

アンテロープキャニオンの旅行記はこちらをご覧ください↓

>>参考記事:『アッパー・アンテロープキャニオン』の幻想的な世界

>>参考記事:『ロウアー・アンテロープキャニオン』アッパーとの違いは…

 

①ホワイトバランス

まず、アンテロープキャニオンでの撮影で最も大事なのが「ホワイトバランス」です。

ホワイトバランスとは、光の加減に応じて白いものを白く写すための設定です。

晴れた日の昼間と、夕方の時間帯、傾いた部屋の中のライトの下ではそれぞれ光の加減が異なりますよね?

被写体自体は常に同じ色ですが、その見え方は被写体に当たる光の加減によって全く違ったものになります。

当然、写真に写す時も同じ事が言えます。それを調整するのが「ホワイトバランス」です。

アンテロープキャニオンでの撮影時はホワイトバランスを「曇天 (曇り)」または「日陰」にして撮影するのがポイントです。

 

ホワイトバランスを調整せず撮影した写真です。発色がイマイチで、鮮やかな岩の色がくすんだ感じになってしまいました。

 

アンテロープキャニオン

ホワイトバランスを「曇り」に設定しました。これだけで岩の色が一気に鮮やかになり、見たままの感動をそのまま写真にすることができます。

コンパクトカメラはもちろん、スマホのカメラにもホワイトバランス調整の機能が付いていることが多いです。設定が「オート (自動)」になっていると設定が変更できません。

一眼カメラの場合は「Pモード」、コンパクトカメラだと、「マニュアルモード」などに変更して設定してください。

ただし、iPhoneの標準カメラアプリにはホワイトバランスの調整機能が付いていません。

iPhoneを使用して写真を撮りたい方は、ホワイトバランスが調整できる(且つ画質が悪くない)アプリをダウンロードしておく必要があります。

 

②光の入り方

2つめのポイントは、「光の入り方」に注意することです。

アンテロープキャニオンは岩に囲まれた渓谷なので、基本的には薄暗い場所です。しかし、頭上の岩の裂け目から太陽の光が漏れている場所が多くあります。

明るい部分が写真に入ってしまうと、渓谷の景色が暗くなってしまったり、美しい岩の模様が光で飛んでしまったりします。

なので、明るい光が写真に入らないように注意することが大事です。

頭上の岩の裂け目から差し込んだ光が入ってしまい、岩の模様が見えにくくなってしまっています。

 

ロウアー・アンテロープキャニオン

日は当たる場所ですが、光が射している方向を写真に入れないようにさえすれば、このようにはっきりと岩の模様を写すことができます。

 

「光を入れない」というのは、あくまでセオリーで、あえて光を入れることで面白い写真が撮れることもあります。

こちらは岩の裂け目が「鳥の目」のように見えるポイントですが、あえて光を入れることで、「目」の輪郭が際立つと共に、「瞳」の部分をよりそれらしく見せることができています。

 

③タイミング

3つめのポイントはタイミングです。重要なのは出来るだけ人が写らないように撮影することです。

アンテロープキャニオンは自然が作り出した芸術的な風景です。人がぞろぞろと歩いているところが写ってしまうと、なんだか観光地感が満載の写真になってしまいます。

せっかくなので、自然の美しさに集中できるように、人がいないタイミングを狙って写真を撮りましょう。

せっかくの美しい景色ですが、前方を歩くツアー客が写ってしまい、現実感が出てしまいます。まぁ、これくらいなら許容範囲ではありますが。

 

前方に人がいなくなったタイミングを見計らって撮影すれば、このような幻想的な自然の美しさが際立つ写真となります。

僕は終始ナバホ族のガイドさんと話をしながら団体の先頭を歩き、前の組がいなくなったら真っ先に写真を撮っていました。

この3つのポイントに気をつければ、あなたもアンテロープキャニオンの素晴らしい風景を、上手に写真に収められるでしょう。

あとは、自分が気に入ったポイントを撮りまくってください!思ったよりたくさん写真を撮るので、メモリーカードとバッテリーの残量には気をつけてくださいね!

 

アンテロープキャニオン

岩にカメラを近づけて撮影すると、目の錯覚により、起伏の激しい別の惑星の地表のような写真が撮れることも…。

 

応用編:シャッタースピードとISO感度

ここからは少し応用です。一眼カメラには「シャッタースピード」「ISO感度」という設定があります (コンパクトカメラやスマホのカメラアプリにも付いているものがあります)。

アンテロープキャニオンは岩に囲まれた暗い場所です。通常、暗い場所で撮影すると、カメラはたくさんの光を取り込もうとして「シャッタースピード」を遅くします。つまり長い時間をかけて1枚の写真を撮ります。

しかし、シャッタースピードが遅くなると、手ぶれが発生するというデメリットがあります。

三脚 (カメラを立てる台) が使えれば手ぶれは抑えられますが、以前の記事でも書いたようにアンテロープキャニオンでは岩を傷つけるのを防ぐ為に三脚はおろか、バッグの持ち込みも禁止されています (プロ向けの高額な写真撮影ツアーに申し込めば三脚も持ち込めます)。

そこで役立つのが「ISO感度」の設定です。ISO感度が何かという難しい話はここでは置いておいて、ISO感度を上げると暗い場所でも明るく写真が撮れます。その為、シャッタースピードも速くなります。

「じゃあ、ISO感度を思いっきり上げて撮ればいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、ISO感度を上げることにもデメリットがあります。

ISO感度を上げすぎるとノイズも増えてしまい、写真が荒い見栄えになってしまいます。

シャッタースピードを「自動」にして撮影しましたが、暗い場所だった為に、シャッタスピードが0.5秒と、とても遅くなってしまいました。

これではご覧のように手ぶれが発生してしまいます。

 

アンテロープキャニオン

ISO感度を1250に設定して、シャッタスピード1/80秒で撮影しました。これなら手ぶれも気になりません。

手ぶれを防ぐ為に、シャッタースピードは遅くても1/60秒くらいにしたいところです。

ISO感度は機材や撮影場所によって最適な値が異なるので、一概には言えませんが、1250くらいに上げれば、上記のシャッタースピードに抑えられました。

基本的にはISO感度、シャッタスピードともに「自動」に設定しておき、手ぶれが気になるな、と思ったらISO感度を1000〜1250くらいに上げてみると良いかと思います。

シャッタースピードを手動で調整する方法もありますが、今度は明るさを調整するのが難しくなるので、まずはISO感度で調整してみてください。

 

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次回はアンテロープキャニオンへの行き方をご紹介します!