前回までの旅行記でご紹介したアメリカの『アンテロープキャニオン』。流れる波のような美しい模様の砂岩に囲まれた渓谷です。
今回はそんなアンテロープキャニオンへの行き方と、おすすめの時期や時間帯をご紹介します!
アンテロープキャニオンとは
『アンテロープキャニオン』は、砂岩で出来た土地が何百万年にもわたって侵食されて作られたスロット・キャニオン (幅の狭い渓谷)のひとつです。
波のような美しい模様の砂岩に囲まれた風景は、たくさんの観光客や写真家を惹きつけており、アメリカ南西部にある数ある観光地の中で、最も多く写真が撮られている場所だそうです。
アンテロープキャニオンについてはこちらの記事をご覧ください↓
アンテロープキャニオンの場所
アンテロープキャニオンは、アメリカのアリゾナ州にあります。アリゾナ州の中でもユタ州に近い北部にあり、ペイジという街の近郊です。
ラスベガスからは直線距離で約350km (東京から京都とほぼ同じ) の場所にあり、車で移動する場合の走行距離は約450kmになります。
まずは日本からラスベガスへ
まずはアンテロープキャニオン観光の拠点となるアメリカのラスベガスへの行き方を説明します。
現在、日本からラスベガスまでの直行便はありません。その為、シアトルやロサンゼルス、サンフランシスコなどを経由する便を利用することになります。
経由地で数泊して複数の都市を訪れるようなプランにするのもおすすめです。
航空会社は、デルタ航空・ユナイテッド航空・アメリカン航空といったアメリカ系の航空会社を利用するのが一般的です。
デルタ航空はシアトル経由やロサンゼルス経由、ユナイテッド航空はシアトル経由やサンフランシスコ経由、アメリカン航空はロサンゼルス経由やダラス経由といった経路があります。
僕は行きはシアトル経由を利用しましたが、成田からシアトルまで約9時間、シアトルからラスベガスまで2時間半の合計約11時間半 (乗り継ぎ時間は除く)でした。
ラスベガス行きの航空券予約は、エイチ・アイ・エスが運営する格安航空券予約サイト「サプライス」のホームページがおすすめです!
ラスベガスからアンテロープキャニオンへの行き方
続いて、ラスベガスからアンテロープキャニオンへの行き方3種類を、それぞれのメリット・デメリットと共にご紹介します!
バス
ラスベガスからアンテロープキャニオンへ行く最も人気の方法は「バス」です。
僕もラスベガスからアンテロープキャニオンをはじめとした自然遺産を回る1泊2日のバスツアーに参加しました。
バスは広々とした大型バスで快適でした。もちろん冷暖房完備で、一応トイレも付いています。
ラスベガスからアンテロープキャニオンへは、最短で約4時間半。グランドキャニオンを経由するルートだと約6時間かかります。
往復だと9〜12時間の長旅になり、観光地でもたくさん歩いて疲れるので、運転はドライバーさんに任せて移動中はゆっくり休憩できるのが良いと思います。
バスツアーの場合は、途中で休憩の為にパーキングエリアに立ち寄ったり、ルート66の有名な街に立ち寄ったりしてくれるので、移動も全然苦になりませんでした。
ラスベガスからは日帰りのバスツアーもありますが、できれば1泊2日以上のツアーでグランドキャニオンなど周辺の観光地と一緒に回るプランをおすすめします!
料金は日帰りで約3万円〜、1泊2日で約5万円〜となっています。
飛行機
ラスベガスからアンテロープキャニオンへ1番早く行く方法は飛行機です。ラスベガスのボールダー・シティ空港からアリゾナ州のペイジ空港までは約1時間半。
※ラスベガスのメイン空港であるハリー・リード国際空港 (旧称マッカラン国際空港) ではないので注意してください。
ラスベガスからペイジへの飛行機はシーニック航空という航空会社によって運行されており、午前6時32分発の1日1便となっています (2020年1月現在)。
ペイジに向かう飛行機の機内からは「ホースシューベンド」などを眺めることができます。ペイジ空港からは車に乗り換えて15分ほどでアンテロープキャニオンに到着します。
ツアーであればフライトに加えて空港まで/からの送迎やアンテロープキャニオンでのガイドツアーも含まれているのでおすすめです。
飛行機で行く日帰りツアーの場合、フライトと送迎、ガイドツアー、昼食がセットになって約5万8千円です。
飛行機で行くアンテロープキャニオンのツアーも「VELTRA」のホームページで申し込みできます。
レンタカー
アメリカの大自然の中を自分で運転したい!という人には「レンタカー」がベストです。
自分で運転する場合もバスの場合と同様、ラスベガスからアンテロープキャニオンまでは最短で約4時間半、グランドキャニオンを経由するルートの場合は約6時間となります。
レンタカー代は車の種類や期間によって異なりますが、1泊2日で約2万円〜借りることができます。大勢で割ればお得に旅行できますね。
慣れない海外の道を長時間運転することになるので、複数の人で交代で運転できる場合や、普段から長時間の運転に慣れている人にのみオススメします。
アメリカのレンタカーは「楽天トラベル (海外レンタカー) 」のホームページで検索&予約できます。HertzやAVISなど複数の大手レンタカー会社を比較できるので、便利です!
ラスベガスからアンテロープキャニオンへ行く最短のルートは、ラスベガスから州間高速15号線と国道89号線で東に向かうルートです。
ラスベガスの郊外を走る州間高速15号線 (I-15N)で東に2時間ほど走った後、ワシントンの16出口で州間高速15号線を降り、州道9号線 (UT-9E) に入ります。
ハリケーンで州道9号線から州道59号線 (UT-59S) に入った後、東へ1時間ほど走ります (途中で州が変わり、道の名前が州道389号線 (AZ-389E) に変わります)。
フリードニアで左折して国道89号線A (US-89A)へ入った後、カナーブで右折し、国道89号線 (US-89S) を1時間ほど南へ進みます。
ペイジの街を過ぎた所で左折し、州道98号線 (AZ-98E) に入り少し走るとアッパー・アンテロープキャニオンのツアー出発場所があります。
アメリカでレンタカーを運転するためには、あらかじめ国際免許証(国外免許証)を入手しておく必要があります。
日本の免許証を所持している方であれば、各都道府県の免許センターで交付を受けることができます。国際免許証の有効期限は1年間です。
交通ルールが日本と異なる海外での運転には十分気をつけてくださいね!
アンテロープキャニオンへの行き方比較
ラスベガスからアンテロープキャニオンへの行き方3パターンをまとめておきますので、それぞれのメリット・デメリットを比較してみてください。
時間 | 金額 | |
バス | 約4時間半 | 約3万円〜/人 (日帰り) 約5万円〜/人 (1泊2日、ホテル代込み) |
飛行機 | 約1時間半 (空港間のみ) | 約5万8千円〜/人 (日帰り) |
レンタカー | 約4時間半 | 約2万円〜/台 (1日) +ガソリン代&ホテル代 |
ロサンゼルスからアンテロープキャニオンへの行き方
アンテロープキャニオンへ行く最も一般的なルートはラスベガスからバス・飛行機・レンタカーのいずれかで行く方法ですが、ロサンゼルスからもアンテロープキャニオンへ行くことができます。
ロサンゼルスからアンテロープキャニオンへ行く場合、バスだと9時間くらいかかるので、1泊2日以上のツアーをオススメします。
1泊2日のツアーであれば、アンテロープキャニオン以外の場所も訪れることができます。お値段は1泊2日で約5万円〜(ホテル代含む)。
ロサンゼルスからアンテロープキャニオンを訪れるツアーは「VELTRA」のホームページで検索できます!
おすすめの時期と時間帯
アンテロープキャニオンへは1年を通して訪れることができますが、特におすすめの時期と時間帯があります。
時期
アンテロープキャニオンを訪れるベストシーズンは4〜5月、9〜10月です。
「アッパー・アンテロープキャニオン」では、頭上の岩の裂け目から漏れた光の筋が渓谷内に降り注ぐ「ビーム」と呼ばれる現象が起こることがあります。
アンテロープキャニオンの写真としてよく見る現象で、アンテロープキャニオンへ行くからにはこの光景を見たいと思っている人も多いのではないでしょうか?
この美しい光景を見る為には、太陽が真上にある必要があります。その為、太陽が高く登る4月〜10月がおすすめの時期と言えます。
6〜8月は、太陽は真上に登るのですが、夏はアンテロープキャニオンの気温が非常に高くなる為、長時間歩くことはあまりおすすめできません。
時間帯
アンテロープキャニオンを訪れるおすすめの時間帯は午前11時〜午後1時です。
これも時期と同じ理由で、太陽が高く登っている時間帯だからです。この時間帯が一番「ビーム」の現象が起こりやすくなります。
運も必要
アンテロープキャニオンを訪れるおすすめの時期は4〜5月と9〜10月、時間帯は午前11時〜午後1時ですが、もちろんこれ以外の時期・時間帯でもアンテロープキャニオンの絶景を楽しむことはできます。
反対におすすめの時期・時間帯でも気象条件によっては「ビーム」を見ることができなかったり、アンテロープキャニオンに入ることすらできない場合もあります。
アンテロープキャニオンは水が流れ込みやすい地形のため、時期に関わらず周辺で雨が降っていると入ることができなくなる他、強風の場合も立ち入り禁止になる場合があります。
これは自然現象なのでコントロールできません。幸運を祈るばかりですね。
アッパーとロウアーの違い
アンテロープキャニオンは「アッパー・アンテロープキャニオン」と「ロウアー・アンテロープキャニオン」の2つの場所に分かれています。これらは少し離れた場所にあり、入口も別々です。
アッパーとロウアーはどちらも美しい模様の砂岩に囲まれた渓谷ですが、雰囲気や見られる景色が少しずつ異なります。
時間に余裕があれば両方訪れたいところですが、時間的にどちらか片方しか行けない場合はどちらへ行けばいいのでしょうか?
アッパー・ロウアーのどちらでも美しい景色が見られますが、この後説明するそれぞれの特徴を参考に自分に合った方を選んでもらえればと思います。
『アッパー・アンテロープキャニオン』の特徴は、その地形。ロウアー・アンテロープキャニオンに比べて起伏が少なく、体力に自信がない人でも歩きやすいです。
また、アッパー・アンテロープキャニオンはロウアー・アンテロープキャニオンに比べて光の差し込む量が少なく、薄暗いのが特徴です。
アッパー・アンテロープキャニオンのもうひとつの特徴は、「ビーム」と呼ばれる現象が起こりやすいこと (ビームについては前の章を参照)。
ビームは条件が揃わないと見ることができませんが、アッパーの方が見られる可能性が高いです。
一方、『ロウアー・アンテロープキャニオン』の特徴は、アッパー・アンテロープキャニオンに比べて光の差し込む量が多く、砂岩の模様がよりはっきりと美しく見えることです。
明るい場所が多いので渓谷内の様子も見やすく、より簡単に綺麗な写真も撮れるでしょう。
ロウアー・アンテロープキャニオンは、アッパー・アンテロープキャニオンよりも起伏が激しく、階段やハシゴを登ったり、降りたりして進んでいきます。
渓谷を冒険しているような雰囲気が得られるのが、このロウアー・アンテロープキャニオンの特徴です。
ツアーの事前予約は必須
アンテロープキャニオンは、先住民族であるナバホ族の土地です。その為、アンテロープキャニオンに入るには、ナバホ族のツアーガイドと一緒でないと行くことができません。
当日、空きがあれば現地でツアーに参加申し込みすることもできなくはないですが、当然予約した人が優先になります。
夏の旅行シーズンや日本のゴールデンウィークなどは、大勢の人が訪れる為、当日申し込みでの参加はまず不可能です。
アンテロープキャニオンへ行く際は、事前予約が必須だと思ってください。
アンテロープキャニオンを訪れるオプショナルツアーに参加する場合は、基本的にガイドツアーも含まれているので、事前予約の心配はいりません。
次回からはロサンゼルスの旅行記です!