世界遺産にも登録されているスペインの古都トレド。そんなトレド観光のハイライトと言えるのが『トレド大聖堂』です。
正式名称はサンタ・マリア・デ・トレド大聖堂と言い、スペインでも随一の大きさを誇るゴシック様式の荘厳な大聖堂です。
トレド大聖堂はフェルナンド3世の命により1226年に着工しましたが、完成までには約270年の歳月を要しました。
高さ90mの迫力ある大聖堂
『トレド大聖堂』は市庁舎のあるアユンタミエント広場の横にあります。アユンタミエント広場から間近で見ると見上げるほどの大きさで、とても迫力があります。左にある鐘楼は高さ90mもあります。
右側にはこちらも大きな礼拝堂のドームがあり、これらの間に3つの門が造られています。左から「地獄の門」「免罪の門」「裁きの門」の3つで、それぞれ繊細な彫刻が施されています。
大聖堂の北側には「時計の門」があります。大聖堂の門の中でも最も古い門ですが、こちらは通れません。大聖堂の入口はアユンタミエント広場のある西側ではなく、南側にあります。
その向かいにチケット売り場があり、そこでオーディオガイドを借りられました。代わりにパスポートを人質に取られます。
ステンドグラスとバラの窓
トレド大聖堂の内部は天井が高く、たくさんのステンドグラスが目を引きます。なんと全部で750枚もあるそうです。
特に有名なのは「バラの窓」と呼ばれる花びらのように放射線状に並んだステンドグラス。非常に細かな作りが美しい窓です。
主祭壇と聖歌隊席
大聖堂の中でまず見ておきたいのが「主祭壇」。高さ約30mの祭壇にはキリストの生涯の様々な場面が描かれています。
祭壇の前には柵があるので残念ながら近づくことはできませんが、柵越しでもそのスケールに圧倒されます。
主祭壇の反対には「聖歌隊席」があります。上部はルネサンス様式、下部はゴシック様式という組み合わせで、席の一つひとつには繊細な彫刻が施されていました。
これは、アロンソ・ベルゲーテという16世紀の彫刻家によって作られた、グラナダ戦争の様子を表した彫刻です。
圧倒的な存在感の「トランスパレンテ」
続いての見どころは「トランスパレンテ」と呼ばれる主祭壇の後ろにある壁です。
スペインの彫刻家ナルシソ・トメの作品でこれでもかと言わんばかりに彫刻が施されています。その圧倒的な存在感と迫力に畏怖の念すら感じます。
天井から差し込む光が彫刻を照らし、神々しい雰囲気を醸し出しています。
天井にはフレスコ画が描かれており、その周りにも天使や聖人の彫刻が施されています。どこを見ても豪華絢爛な作りです。
大聖堂はその宝物室も豪華で、まるで博物館のようでした。中でも目を引くのが「聖体顕示台」です。
高さ3mの大きな顕示台は、イサベル女王の王冠や金、銀、宝石で飾られており、重量は200kgもあります。
コロンブスがアメリカ大陸から持ち帰ったとされる金も一部使用されているそうです。この顕示台は年に1度の聖体祭の日に大聖堂の外に持ち出され、トレドの街を練り歩きます。
エル・グレコの作品も見られる中庭
大聖堂には中庭を取り囲む回廊があります。日が差し込む気持ちの良い空間です。こちらにも繊細な彫刻が施されています。
回廊の壁には大きなフレスコ画も描かれていました。大聖堂にはエル・グレコの作品をはじめ多くの絵画も収められています。
じっくり見て回るとこの大聖堂だけでも半日くらいかかるかもしれません。
トレドへは日帰りで行きましたが、見どころ満載の街なので、日程に余裕があれば是非1泊くらいしたい場所です。
トレド大聖堂の開館時間・入場料
■トレド大聖堂 (Toledo Cathedral) | ||
開館時間 | 月〜土 | 10:00〜18:30 |
日・祝 | 14:00〜18:30 | |
入場料 | 12.5ユーロ | |
HP | http://www.catedralprimada.es |
次回からはバルセロナの旅行記をお伝えします。