今回はオーストラリア旅行記の第3回。メルボルンの街から日帰りで『グレート・オーシャン・ロード』を訪れます。
美しい海沿いを走る道の途中にはたくさんの見どころがありますが、初回はサーフィンの名所「トーキー」、グレート・オーシャン・ロードの入り口にあたる「メモリアル・アーチ」、野生のコアラに会える(かもしれない)「ケネット・リバー」をご紹介します!
グレート・オーシャン・ロードとは

『グレート・オーシャン・ロード』(Great Ocean Road) は、オーストラリア南部ヴィクトリア州の海沿いを約250kmに渡って走る道路です。
1930年代に起こった大恐慌の時期に、第一次世界大戦の帰還兵の仕事として政府により建設が計画・実施されました。多くの人が大部分を手作業で行い、16年をかけてしました。
現在は美しい自然の景色が見られる観光スポットとして人気で、特に「12使徒」(Twelve Apostles) と呼ばれる巨大な岩が並ぶ景色が有名です。
>>『グレートオーシャンロード ③』12使徒ヘリコプターツアーに参加
僕が今回の旅行でメルボルンに来たのも、以前何かで写真を見てからずっとこのグレート・オーシャン・ロードに行きたかったからなんです。
メルボルンからは現地の旅行会社のツアーに参加しました。英語のツアーでしたが、アメリカ、スペイン、カナダ、日本など色々な国からの旅行者が参加していました。
サーフィンの名所『トーキー』

メルボルンを出発した後、最初に立ち寄ったのは、ヴィクトリア州を代表するサーフィンの名所『トーキー』(Torquay) です。
メルボルンからは1時間ちょっと。距離にすると100kmほどの位置にあり、グレート・オーシャン・ロードの玄関口にあたります。


ここは「トーキー・サーフ・ビーチ」というビーチで、その名の通りサーファーが集まるビーチです。
朝日の中で散歩するのに最適な爽やかな雰囲気でした。
この時期は冬 (8月) の朝ということもあってかサーファーの姿はありませんでしたが、夏になるとたくさんのサーファーが集まってくるそうです。

トーキー・サーフ・ビーチの近くには芝生の公園があり、バーベキューもできるようになっています。ここで朝食と暖かい紅茶をいただきました。

駐車場の向かいにはスプリング川という川が流れており、先ほどのビーチのそばへ続いています。
看板にはここがウィリアム・バックリーゆかりの地であることが書かれていました。
ウィリアム・バックリーはイギリスの囚人で、オーストラリアに移送された後脱走し、亡くなったと思われていたが、実はアボリジニー(オーストラリアの先住民)のコミュニティーで暮らしていた、という人です。

公園の近くにあった珍しい形の木です。川沿いに同じ種類の木が何本も並んでいました。日本では見たことのない木ですが、何の木なんでしょうか…?
トーキーはメルボルンから南西へ約1時間半の場所にあります。
グレートオーシャンロードの『メモリアル・アーチ』

トーキーから車でさらに30分ほどの場所にあるのが『メモリアル・アーチ』。(Mグレート・オーシャン・ロードの玄関口とされる場所です。
メモリアル・アーチは、グレート・オーシャン・ロードの建設に尽力したマコーミックさんという方が亡くなったことを偲んで1939年に作られました。
当時のメモリアル・アーチは道幅を広げる際に新しくなりましたが、山火事によって1983年に一度消失しています。
しかし、上から吊るされた看板は消失を免れ、再建後も使用されています。よく見ると端の方に焦げたあとがあるのが分かります。

メモリアル・アーチの脇には、グレート・オーシャン・ロードの建設に携わった兵士の像が建てられています。
グレート・オーシャン・ロードは第1次世界大戦後の大恐慌の時期に、帰還兵によって整備されました。工事には16年間で約3,000人の帰還兵が携わったと言われています。
しかも重機などはほとんど使わず、ダイナマイトやつるはしを使って手作業を中心に作業が進められたそうです。
それを250km近くにわたって行うなんて気の遠くなる工事ですね。

帰還兵の像の近くにあるパネル。グレート・オーシャン・ロードの説明と地図が書かれています。

メモリアル・アーチの脇に海へと続く小道がありました。せっかくなので海の方にも行ってみます。

海は砂浜のビーチになっていました。天気も良くてとても爽やかな雰囲気です。
メモリアル・アーチは「イースタン・ビュー」という場所にあり、トーキーから約30分です。
『ケネット・リバー』のコアラ・ウォーク

続いて訪れたのは、『ケネット・リバー』(Kennet River) という場所。ここは野生のコアラが見られる (かもしれない) スポットです。
「カフェ・コアラ」(なぜか「Cafe」ではなく「Kafe」) というカフェの前にある駐車場から歩いてコアラを探しに行きます。


歩き始めてすぐに出会ったのは、コアラ…ではなくたくさんの鳥。カラフルなインコやオウムが木の枝止まっていました。中には堂々と道の真ん中を歩いているヤツもいます。

人に慣れているようで、近づいても全然逃げる気配がありません。気を抜いていると人の肩や頭に乗ってくることもあります。

さらに奥へと歩いていくと、いました!コアラです!真ん中の木の枝の上で休んでいるコアラがいるのが見えるでしょうか?
残念ながら背中を向けて寝ているので顔が見えません。

さらにコアラを探して歩いていきます。コアラの森は緩やかな登り坂沿って続きます。

別の木の上にもう1頭コアラがいました。こちらは食事の真っ最中。ユーカリの葉をムシャムシャと食べています。一生懸命になって葉っぱを口へ運ぶ姿がとても愛らしいです。
ちょっと遠いのでこれが限界。望遠レンズ持っていれば良かったと後悔…。
「コアラ」という名前は先住民の言葉で「水を飲まない者」という意味らしいです。実際にコアラはユーカリの葉から水分を採るため、水を飲みません。
ユーカリの葉は水分が多い一方、糖分が少なく、わずかなエネルギーしかありません。そのため、一日のうち20時間ほどを寝て過ごします。

コアラがいる森を抜けると高台に出ました。ここからも海が見えて気持ちいいです。
運が運が良ければ野生のコアラが見られるかもしれないケネット・リバーは、メモリアル・アーチから南西へ約40分の場所にあります。

次回はグレート・オーシャン・ロードの第2回。アポロベイという街とオトウェイ国立公園を訪れます。